P12-11 : ホウレンソウ萎凋病発生リスク評価法の開発
Posted On 20 10月 2014
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1農研機構・近畿中国四国農業研究セ , 2農研機構・本部
【目的】Fusarium oxysporum f. sp. spinaciae(以下、FOS)によるホウレンソウ萎凋病発生リスクを評価する方法の開発を目的に、リアルタイムPCRによる土壌中のFOS密度測定法の開発およびFOS密度と発病程度の関係を調査した。
【方法】FOS密度を特異的に定量するため、FOSおよびF. oxysporumの他の分化型についてIGS領域の塩基配列を比較し、リアルタイムPCR用プライマーを設計・作成した。3種類の土壌(褐色低地土、黒ボク土、グライ土)にFOSを適宜接種して、各土壌から抽出・精製したDNAをリアルタイムPCRに供試し、検量線を作成した。また、0、102-105 bud cells/g乾土となるようにFOSを接種した土壌(褐色低地土、黒ボク土、グライ土、マサ土)にホウレンソウ(品種:おかめ)を播種し、約2週間人工気象器内で栽培(明期:12h、29℃、暗期:12h、25℃)して発病株率を調査し、Dose Response Curve(DRC)を作成した。
【結果および考察】FOS密度とCt値に有意な相関関係が認められ、供試土壌ごとに検量線が作成できた。ポット試験において、供試したいずれの土壌においてもFOS接種密度が高くなるにつれ、発病株率は高くなり、土壌ごとにDRCの形状は異なったが、FOSが103 bud cells/g乾土以上ならば積極的な防除が必要な密度であることが示唆された。以上の結果から、土壌中のFOS密度をリアルタイムPCRで定量し、DRCに基づくことで発病リスクを評価することは可能であると推察された。
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