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O21-06 : 生ごみ処理を基盤とした固相型微生物燃料電池の構築
Posted On 20 10月 2014
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1静大・院・工
生ゴミ処理を行いながら電力も生産できるシステムとして、固相型微生物燃料電池の構築を試みた。これまで堆肥化を基盤とした固相型微生物燃料電池の研究例はいくつか存在するものの、その数は極めて少ない。そこでまず、これまでに報告されている固相型微生物燃料電池の条件を検討し、生ごみ処理との併用を最適化することを目的とした。 本研究では、固相型微生物燃料電池用資材として腐葉土、市販の分解促進剤、活性炭、モデル生ごみとしてドッグフードを用いた。そしてそれぞれの材料の必要性及び効果を検証した。その結果、基質であるドッグフードなしの系では発電せず、分解可能な基質の存在は必須であることが示された。また、基質の分解促進剤を添加することで発電能力が急激に上昇することが確認された。さらに、基質の分解量が多いほど発電量も大きく(必ずしも正比例ではない)、生ゴミ分解と発電は同時に進行し得ることが実証された。 また、活性炭を除いたものでは発電はしたものの極端に低い値を示した。このことから活性炭は負極反応の触媒として作用していると考えられる。 市販の分解促進剤は成分構成が不明なので、主成分と考えられる米ぬかを用いて同様の実験を行った。その結果分解促進剤より米ぬか単体の方が発電促進効果は高かった。 また簡単な物質収支により、投入したモデル生ごみ量より分解総量(質量減少量)が大きいという結果が得られ、菌床資材である腐葉土中のセルロース系成分(通常の生ゴミ分解では難分解性)が分解している可能性が示唆された。今後さらに分析を進めるとともに、発電の基本メカニズムの解明など技術的な基盤の強化を図る。
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