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S32-01 : 次世代シークエンサーを用いた微生物相解析技術の品質管理手法
Posted On 20 10月 2014
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1産業技術総合研究所バイオメディカル研究部門
排水処理プロセスとして利用されている活性汚泥法や生物膜法などは多種の微生物からなる複合微生物群の力を活用した技術である。これらの複合微生物群を解析する技術は、革新的な水利用技術を開発する上でも重要ある。これら処理プロセス中には培養困難な未培養微生物群が多く存在することが知られており、これらの難培養微生物を含む複合微生物群集構造の解析においては培養に依らない手法が効果的である。培養に依らない微生物の解析法では主に16S rRNA遺伝子配列をPCRにより増幅し、プロセス中の複合微生物群を定性・定量的に解析する。これらの技術の進歩は目覚ましいものがあり、特に次世代シークエンサーはそのハイスループット化、高速化を加速している。一度に得られる情報量が増えたため、特定の塩基配列を持つDNAの出現頻度を計測することで複合微生物群に関する定量的な情報も正確に得られるようになった。一方で、試料採取からDNA/RNAの抽出・精製、PCRによる増幅、得られた配列データの品質管理などに関する手法は未だ確立されていない。そこで、次世代シークエンサーの一連の解析から得られる配列データの品質管理に利用する目的でspike-in用16S rRNA標準遺伝子を開発した。この遺伝子配列は大腸菌等の16S rRNA遺伝子配列を元に、その可変領域を天然には存在しない人工的な塩基配列に置き換えた内部標準遺伝子である。本研究ではこのspike-in用16S rRNA標準遺伝子を用いた次世代シークエンサーから得られるデータの品質管理手法について述べる。
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