Previous Story
O23-04 : ナノバブルの簡易生成法の確立とその性質の検討
Posted On 20 10月 2014
Comment: Off
1中央大・理工, 2早稲田大・理工学術院・先進理工
ナノバブルとは直径が1μmに満たない気泡(Gas Nanoparticle: GNP)を意味する。最近、 ナノバブル水の応用が、医療、食品加工、農業、水産業などのバイオ関連産業で注目されている。本研究では、複雑な装置によらない簡易で効率的なナノバブルの作成方法を確立し、ナノバブルの物理的な性質の一端を明らかにするとともに植物の生長におよぼす影響について検討した。 GNPは、MilliQ超純水あるいはそれにエタノールを加えたものを、ブラウン社のハンドミキサー(マルチクイックMR400Plus)で氷冷しつつ撹拌して作成した。GNPの直接観察はオリンパス社の全反射顕微鏡IX71-TIRにより行った。粒子径、体積比、ζポテンシャルはMalvern/Sysmex社のZetasizer Nano微粒子測定装置を用いて測定した。MilliQ超純水、1%エタノール水とも撹拌により直径30~400nmの空気GNPが生成した。1%エタノール水中では100nm以下のGNPが個数としては大多数を占めたが、MilliQ超純水中では直径が100nmより大きなGNPが増加する傾向を示した。30分間撹拌すると約5 x109個/mL生成した。生成されたGNPは長時間安定であり、1か月を過ぎてもサイズと個数が保たれていた。GNP水にNaClを加えて直径の変化を測定したところ、NaCl量が多くなるにつれてGNPのサイズが大きくなり、同時に、GNP生成直後は-30mV程度であったGNPのζポテンシャルが0mVに近づいた。NaClはGNPの表面電位に影響を与え、その結果GNPの融合が起き易くなると推論した。
keywords:ナノバブル,物性,,,