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O31-01 : 富山県下にあるヤマシタ温泉水中の微生物群集構造の解析
Posted On 20 10月 2014
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1富山大・院・理工, 2(株)ヤマシタ
【目的】本研究では, 原始の地球環境を保持し, 有用な微生物源・酵素源と考えられる深部地下環境の微生物生態系を解明する第一歩として, 変性剤濃度勾配ゲル電気泳動 (DGGE) 法を用いて, 富山県下にあるヤマシタ温泉水中の微生物群集構造の解析を行った。【方法】ヤマシタ温泉水 (株式会社ヤマシタ, 富山市上八日町) は, 2011年4月~2012年6月と2013年8月に採水し, その中の微生物を孔径0.2μmのフィルター上に濾過捕集した。その後, 捕集した微生物のDNAを抽出した後, それらを鋳型としてPCR-DGGEにかけた。プライマーには, 16S rDNA (真正細菌と古細菌), 18S rDNA, dsrA (硫酸還元酵素), mcrA (メタン生成酵素) を対象としたものを用いた。そして, DGGEで得られたゲル中のバンドの塩基配列を決定し, BLAST検索することによって種の同定を行った。【結果・考察】PCR-DGGEによって解析した結果, Desulfotomaculum kuznetsoviiなどの好熱性硫酸還元菌や硫黄酸化能を持つThiobacillus thioparus, 酢酸生成能を持つMoorella thermoaceticaや酢酸を資化して水素を産生するThermacetogenium phaeum, 水素資化性メタン生成古細菌のMethanothermobacter marburgensisなど様々な微生物に近縁な種が同定された。そして, ヤマシタ温泉水中には, これらの微生物が相互に関係する複雑な微生物生態系が存在していることが推察された。
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