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O29-07 : フェナントレン分解細菌と共存する非分解優占種細菌の機能解明
Posted On 20 10月 2014
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1東北大・院生命科学
我々は、フェナントレン分解時における細菌の集団的応答を理解するため、芳香族汚染土壌からフェナントレン分解コンソーシアムを取得した。本コンソーシアムからフェナントレン分解菌としてMycobacterium sp. EPa45株が単離でき、フェナントレン分解活性は見られないものの、コンソーシアムで優占していたBurkholderia属細菌株を含むいくつかの細菌株を単離した。EPa45株とBurkholderia属細菌株の混合培養試験の結果、Burkholderia属細菌株はフェナントレンによるEPa45株の生育阻害を緩和する効果(SIE効果と命名: suppression of inhibitory effects)を有することが明らかとなった。EPa45株に対するSIE効果について、B. complex groupまたはB. xenovorans groupに属する6つの細菌株を用いて検証したところ、5株は効果を示し、Burkholderia属細菌に広く見られる特徴がSIE効果の要因となることが示唆された。効果を示したATCC 17616株を用いてこのメカニズムを検証した。ATCC 17616株の1/3 LB培地上清画分にはSIE効果がなく、1/3 LB培地でATCC 17616株が細胞外に放出する低分子の物質はSIE効果の因子ではないことが示唆された。また、オートクレーブ処理したATCC 17616株のSIE効果は著しく低下したため、この効果にはATCC 17616株が生細胞として存在することが必要であると示唆された。
keywords:Microbial consortium,Biodegradation,Phenanthrene,,