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P26-6 : アマゾン川におけるバイオフィルムの構成種とその遺伝子発現及び機能の解明
Posted On 20 10月 2014
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1日大・生物資源, 2理研
地球上には様々な資源が存在するが、その中でも持続可能かつ循環型のエネルギーとして、生態系中で循環している再生可能資源であるバイオマスが注目されている。 現在私はアマゾン川に注目した研究を行っている。アンデスから流れ出る豊富なミネラルを含むソリモエス川と、植物由来の有機物が溶け込んでいるネグロ川という全く別の成分が含まれた二本の川が合流する、この世界的に有名な生物多様性のホットスポットは、そこに棲む微生物による元素から有機化合物まで様々な物質の循環によって地球レベルで重要な生態系機能を発揮していると考えている。 この雄大な生態系機能にアクセスし、そこから人類生存に役立つ資源を開発して行くために、川という流動的な環境の中で定着可能な集団を形成して独自の共生スタイルで適応しているバイオフィルムを研究している。そこに存在する元素や有機物の分析に加えて、先端的なゲノム解析技術を応用した微生物の集団構造や発現遺伝子パターンなどの解析をツールとして明らかにしたい。 そのための第一歩として、まず群集構造や、全体また微生物個々の機能遺伝子の違いを見るために、現在はランダムプライマー法でTotal-RNA-Seq法の開発を行っている。この方法の利点は、一度に微生物集団構造と発現遺伝子に関するデータが得られ、培養を介さずに共生システムの全体像を一度に網羅的に把握できる点である。 アマゾンの地理的な事象と要素による生物多様性の関係性を調べることは生命の新たな可能性の探索であり、私は現在開発中のこの方法を用いてそこにまずアクセスしたいと考えている。
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