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P22-7 : 水田への微生物燃料電池の設置が水田土壌中におけるメタン生成に与える影響
Posted On 20 10月 2014
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1山形大・農, 2東京薬大・生命
微生物燃料電池(MFC)は、電極を電子受容体として有機物分解できる電流発生微生物を利用して発電する装置である。電流発生微生物は水田にも分布しており、水田に電極を設置することで発電が可能である(水田MFC)。水田は温室効果ガスであるメタンの主要な発生源の一つであるが、MFCにおける電気生産は、微生物によるメタン生成と競合関係にあることが知られている。そのため、水田MFCは、電気を生産すると同時に水田からのメタン放出を抑制することができると期待されている。本研究では、MFCの設置が水田土壌中におけるメタン生成と水田からのメタン放出に与える影響について調べた。 MFCの設置が水田土壌中のメタン生成に与える影響は、メディウムビンに水田土壌を入れたマイクロコズムを用いて調べた。電極にはグラファイトフェルトを使用し、正極と負極の間は、1000Ωの抵抗を挟んで塩化ビニル被覆銅線で接続した。MFCを設置すると、設置しない場合に比べて、水田土壌中におけるメタン生成が大幅に抑制されることが明らかになった。また、メタン生成は、電流生産しない開回路でも抑制されることが分かった。
水田からのメタン放出量に対するMFCの影響は、稲わら+無機肥料、堆肥+無機肥料、無機肥料のみの条件で肥料を混合した水田土壌を充填した1/5000アールポットで調べた。MFCの発電量は、有機物を加えた条件、特に稲わら添加条件で最も高かったが、メタン放出量の抑制は認められなかった。一方、無機肥料のみでは発電量は低かったがメタン放出は抑制された。これらの結果から水田MFCの発電量とメタン放出量は、肥料の違いに影響されることが分かった。
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