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P22-3 : Verrucomicrobia門に属する新規土壌細菌のドラフトゲノム解析、および糖代謝機 能の推定-難培養細菌の土壌生態系機能の解明を目指して-
Posted On 20 10月 2014
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1東大・院・農学生命, 2産総研・生物プロセス, 3東大・院・新領域, 新潟農総研・基盤研究,
Verrucomicrobia門細菌は、近年の培養非依存的な解析から、土壌圏に普遍的に分布しており、土壌中の存在量は従来の予想よりもはるかに大きいことが示唆されている。しかし、他の門の細菌群に比べ単離例が未だ少なく、その生態や機能は未解明の点が多く、利用できるゲノム情報も非常に限られている。我々は、独自の培地を用いたスクリーニング法により、水田土壌からVerrucomicrobia門細菌の単離に成功してきた。本研究では、そのうち3株の新規なVerrucomicrobia門細菌のドラフトゲノムを解読し、機能の推定を試みた。3株、すなわちCG2-4株、CG2-6株、CG3-38株のドラフトゲノムは、それぞれ、295、692、722のコンティグを含み、それらの合計塩基配列長は3.8、2.9、7.2 Mbp、GC含量は66.55%、65.04%、60.88%であり、45、35、67個のtRNA遺伝子、および1個ずつのrRNA遺伝子オペロンを有していた。また、3511、3067、6477個のCDsが得られたが、このうち糖類の代謝に関わる酵素群の遺伝子プロファイルを調べたところ、3株共にゲノム上に極めて多様な糖類加水分解酵素の遺伝子がコードされていることが明らかとなった。なお、培養実験より単離株はゲランガムを始め様々な多糖類を資化できることも判明している。以上より、供試した新規Verrucomicrobia門細菌は様々な多糖類を分解•利用できる優れた糖代謝ポテンシャルを有することが示唆された。
keywords:土壌,難培養性微生物,Verrucomicrobia,ドラフトゲノム,糖代謝機能