P18-09 : カプリン酸及びそのカリウム塩によるカビの制御
Posted On 20 10月 2014
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1北九州市大院・国際環境工・環境システム, 2シャボン玉石けん, 3北九州市大・国際環境工・環境生命工
【緒言】Penicillium 属菌やAspergillus 属菌は、食品の劣化や腐敗を引き起こす。カビ対策として、オルトフェニルフェノールなどの防かび剤があるが、それらの一部には発がん性の疑いがあり、安全性に関して様々な議論が行われている。このような背景から、抗カビ効果が高く、安全性の高い防かび剤の創出が求められており、本研究では脂肪酸塩に着目をし、脂肪酸塩の食品汚染原因カビに対する抗カビ効果について検討した。【操作】炭素鎖が4から18の脂肪酸カリウムを用いた。検定菌には、Penicillium pinophilum NBRC 6345、Penicillium digitatum NBRC 9651、Aspergillus niger NBRC 31628を選定した。1.5 mLチューブに胞子懸濁液と脂肪酸塩を加えた後、各接触後に培地に塗布し、30℃で培養を行った。結果はコロニーカウント法を用いて生菌数を算出した。【実験結果】Penicillium 属菌に対してはカプリン酸カリウム;C10Kが最も高い抗カビ効果を示したが、A. nigerにはどの脂肪酸塩にも抗カビ効果は認められなかった。しかし、A. niger に対して脂肪酸のカプロン酸;C6およびカプリル酸;C8が高い抗カビ効果を発揮した。また、P, pinophilumに対してC10Kとその他脂肪酸塩を共存させることによって、C10Kの抗カビ効果への影響について検討した結果、長鎖脂肪酸塩は、C10Kの抗カビ効果に阻害作用を示すことが示唆された。これらの結果より、脂肪酸塩および脂肪酸の農業分野での利用可能性が示唆された。
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