P17-12 : 油脂生産蓄積酵母Lipomyces starkeyiの遺伝子操作系の開発
Posted On 20 10月 2014
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1長岡技科大・院・工
酵母Lipomyces starkeyiは菌体乾燥重量の60~80%に達する油脂を蓄積することが可能な油脂生産蓄積酵母である。本酵母が生産する油脂は,食用油やバイオディーゼル燃料の原料としての利用が期待されている。本酵母は木材成分であるグルコースなどの六炭糖だけでなく,アラビノースやキシロースなど五単糖も利用できることから,特に未利用バイオマスからの油脂生産が期待されている。しかし,本酵母による油脂生産の実用化には,油脂生産能の強化などの解決すべき課題が多く残っており,遺伝子改変による生産能強化が求められている。そこで,本研究では本酵母の遺伝子操作系(宿主-ベクター系)の開発を目指した。 まず本酵母のゲノム組込み型ベクターの構築を検討した。本酵母のゲノム配列をもとに,オロチジン5’-リン酸脱炭酸酵素遺伝子(URA3)とグリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素遺伝子(GAPDH)のプロモーターとターミネーターをPCRにより単離し,大腸菌ベクターに挿入した。さらに,ハイグロマイシン耐性遺伝子(hygR)をGAPDHプロモーターとターミネーター間に挿入した。次に,宿主としてura3変異株の単離を検討した。致死率が50%もしくは80%になるように紫外線照射した本酵母細胞を富栄養培地で生育させたのち,最少培地で生育できない栄養要求性株を複数取得した。さらに,そのなかからウラシルを添加した最少培地で生育する株を選抜することでura3変異株の単離を検討した。最後に,構築したベクターを用いて,酢酸リチウム法やエレクトロポレーション法による本酵母の形質転換を検討した。
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