P17-10 : nxrBを標的としたin situ RCA-FISH法による亜硝酸酸化細菌の探索
Posted On 20 10月 2014
Comment: Off
1早稲田大・先進理工学・生命医科学, 2海洋研究開発機構・高知コア研
【背景・目的】亜硝酸酸化細菌(Nitrite-Oxidizing Bacteria:NOB)は亜硝酸を硝酸に酸化する独立栄養細菌であり、環境中における窒素循環の一部を担っている。環境中に生息するNOBの菌叢は、一般的に16S rRNA遺伝子に基づくFISH、シーケンシングによって解析されている。しかし近年、既存のNOB系統とは異なる新規なNOBが機能遺伝子をターゲットとした研究により発見されており、系統が未知のNOBが潜在している。本研究では、亜硝酸酸化に必要不可欠なnxrB遺伝子に着目し、潜在しているNOBを検出、同定する技術を確立することを目的とした。 【方法】既知のNOBのゲノム配列データを基に、各NOBのnxrB遺伝子配列を比較し、nxrB遺伝子を標的にしたプライマーを作成した。作成したプライマーを用いたPCR-クローニングにより、硝化リアクター中のnxrB遺伝子の多様性を解析した。つづいて、細胞内部においてnxrB遺伝子を検出するために、in situ RCA-FISHにより硝化リアクター中の微生物を蛍光標識した。 【結果・考察】作成したプライマーを用いた菌叢解析の結果、硝化リアクター中には4系統のnxrB遺伝子群が存在することが明らかになった。つづいて、硝化リアクター中の新規性の高いnxrB遺伝子群(既知のnxrB遺伝子群との相同性が低いnxrB遺伝子群)を標的したin situ RCA-FISH法により、硝化リアクター中の微生物の蛍光標識に成功した。さらに、蛍光標識した微生物のセルソーターによる選択的分離、16S rRNA遺伝子に基づく同定を行った。
keywords:functional gene,wastewater,in situ RCA-FISH,NOB,Nitrospira