P17-03 : サンプルの前処理方法が新型シーケンサーを用いた微生物叢解析結果に及ぼす影響
Posted On 20 10月 2014
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1NITE・NBRC, 2Prince of Songkla University
近年、微生物菌叢解析において新型シーケンサーを用いた方法が一般的になっている。より正確な解析を行う上で、前処理過程が重要だと考えられるが、サンプル調製方法の違いがシーケンス結果に及ぼす影響を調査した知見は多くない。そこで、我々はシーケンサーの機種やPCRに使用する16S rRNA遺伝子プライマーの違いなどが解析結果に与える影響を調査した。
土壌、海水、原油による集積を行った海水など7種類のサンプルを使用し、土壌DNA抽出キットを用いて破砕抽出を行った。得られたゲノムDNAより16S rRNA遺伝子のV4領域(292 bp)をPCR増幅し、Roche 454 GS FLX及びIllumina MiSeqでシーケンスを行い、QIIMEを用いて菌叢を解析し結果を比較した。主座標解析の結果では顕著な差は見られず、phylumレベルで比較した菌叢にも大きな違いはなかった。このことから、シーケンサーの違いが結果に与える影響は少ないことが示された。
次いで、解析に用いる16S rRNA遺伝子領域がシーケンス結果に及ぼす影響を調査するため、V4 領域とV3-4領域(465 bp)に対し設計されたプライマーを用いてPCRを行い、MiSeqを使用して解析した。それぞれのシーケンス結果を比較した結果、主座標解析では差は見られず、phylumレベルで比較した菌叢にも大きな違いはなかった。しかし、OTU (operational taxonomic unit)数がV4領域のみに比べて、V3-4領域では減少することが示された。このことから、サンプル調製時のプライマー選択は特に重要であることが示唆された。
keywords:NGS,Amplicon sequencing,microbial community,,