P15-03 : 異化的ヒ酸還元菌Anaeromyxobacter sp. PSR-1株のドラフトゲノム解析
Posted On 20 10月 2014
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1千葉大・園芸, 2千葉大・院・園芸, 3山口大・院・理工学
Anaeromyxobacter sp. PSR-1株はヒ素汚染土壌より単離された異化的ヒ酸還元細菌で、A. dehalogenans 2CP-1株と16S rRNA遺伝子の塩基配列が99.7%一致する。Anaeromyxobacter属細菌は鉄、硝酸、塩素化化合物、ウランなど多様な物質を電子受容体として利用可能なことから、バイオレメディエーションへの応用が期待されているが、ヒ酸還元能の存在はPSR-1株以外には知られていない。本研究はPSR-1株のヒ酸還元メカニズムの解明を目的としてドラフトゲノム解析を行った。シーケンスの取得には454FLX Titanium(Roche)を用いた。ゲノムアセンブリープログラムNewbler v. 2.8により344個のコンティグ配列を得た(総塩基数4,863,754 bp、GC含量74.4%)。また、遺伝子予測プログラムProkkaにより4,484個のタンパク質コード領域を予測した。ヒ素代謝遺伝子を探索した結果、PSR-1株のドラフトゲノム配列中に異化的ヒ酸還元酵素遺伝子(arrAB)は認められなかった。一方、Alkalilimnicola ehrlichii MLHE-1株の嫌気的亜ヒ酸酸化酵素遺伝子(arx)オペロンに類似した遺伝子構造が確認された(arxRCBABSX-ORF-arxBA)。このオペロンに隣接して解毒的ヒ酸還元酵素遺伝子オペロン(arsDC-uspA-arsBRM)も確認された。arxAB はin vitroにおいてヒ酸還元活性も示すことから、PSR-1株においてarx様遺伝子がヒ酸還元へ関与する可能性が示唆された。
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