P13-09 : 撹拌槽内における機能遺伝子伝播条件の最適化
Posted On 20 10月 2014
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1静大・院・工, 2静大・創造科技院
【目的】プラスミドは河川や湖沼など、流体の動きのある環境でも微生物間を伝播する可動性遺伝因子である。我々は流体の動きを撹拌速度という数値として表し、撹拌槽内におけるプラスミドの伝播効率を比較することで、その伝播現象のモデル化を試みている。本研究では、様々な伝播条件下における接合伝達頻度の比較を行った。
【方法】プラスミドとして、接合伝達性のpBP136を使用し、供与菌・受容菌としてPseudomonas putida KT2440由来の菌株を用いた。撹拌槽としては125 mL容のスピナーフラスコを用いた。1/3に希釈したLB液体培地100 mLを入れたフラスコに、供与菌と受容菌を異なる密度で接種し、静置条件と、様々な撹拌速度にした場合の接合伝達頻度を比較した。実験開始から0分、45分後に混合液を採取し、接合完了体のみが生育する1/3LB液体培地に添加して、接合完了体数を最確数(MPN)法によって推算した。MPN法は、96穴プレートを用いて、2倍(または21/2倍)ずつの段階希釈系列を作製し、推計した。
【結果】供与菌・受容菌の密度が108 CFU/mLのとき、撹拌速度を上昇させると接合伝達頻度が低下した一方、密度を107,106,105 CFU/mLとした場合には、各々10,30,70~90 rpmの条件で最も接合伝達頻度が高くなった。従って、菌体密度に応じて接合伝達頻度が最適となる条件が存在することが示唆された。また密度が106 CFU/mLの際に、撹拌による接合伝達頻度の変化が最も大きくなった。現在は培地の粘度を変更し、粘度による接合伝達頻度への影響を調べている。
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