P13-03 : 多孔性セラミックスと活性炭が河川水中の微生物に及ぼす効果
Posted On 20 10月 2014
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1東京海洋大・院, 2東大・大気海洋研
災害時の河川水利用が提言される中,多摩川は環境基準B類型(BOD ≦3 mg/L)を達成し,量質とも供給源として充分だが,〜7E+7 cells/mLの微生物を含み水道水基準を満たせない.多孔性セラミックス(CR)と粒状活性炭(AC)は単体では河川水に滅菌作用を示さないが,混合物ではコロニー形成がなくなる予備知見を得た.従って電力がない災害時に生活用水を得る有効な手法になりえる.そこで,河川水中の微生物群集へのCRとACの効果を検討した.
多摩川水道橋下(35.37.22 N, 139.34.13 E)で河川水を採取し,SYBR Gold染色性で全菌数,標準寒天培地(0.25%酵母エキス,0.5%ペプトン,0.1%ブドウ糖, 1.5%寒天)に接種後20℃,5日間の培養でコロニー数を求めた.また,PIで染色性細菌数を細胞膜損傷菌数とした.
河川水にCR・ACの単独,並びに1:1混合物を重量比1:10で加え,濾材無しの対照とともに,27℃ 100_rpmで振盪し,0, 0.33, 2, 24 時間後の全菌数,コロニー形成数,細胞膜損傷菌数を検討したところ,CR+ACでは24時間経過後にコロニー形成がなくなり,全菌数は約20%に低下した.そこで,CR・ACの細胞への理化学的効果検討にEscherichia coli JM6937 (Smr)を人工河川水(0.001%酵母エキス,0.9%NaCl, pH 7.4)に接種し,同様の検討を行ったところ,24時間でコロニー形成がなくなり,全菌数<1%に低下し,ほとんどに細胞膜損傷が観測された.CR+ACの細胞膜への電気的効果が予想される.
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