P12-09 : 有機栽培・減農薬栽培土壌のキュウリ苗立枯病およびダイコン苗立枯病の発病抑制
Posted On 20 10月 2014
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1東農工大・院・生物システム応用
【はじめに】無農薬・減農薬作物が注目されるようになり、農薬に頼らない農業が求められている。有機物施用やある種の土壌微生物群では植物病原菌の抑制効果が多数報告されており、農薬に代わる防除法としての応用が期待される。本研究では有機栽培土壌のキュウリ苗立枯病および減農薬栽培土壌のダイコン苗立枯病の発病抑止性の評価、またその要因について調査した。【材料・方法】病原菌接種試験においてキュウリ苗立枯病(Pythium aphanidermatum OPU854株)およびダイコン苗立枯病(Rhizoctonioa solani 130930株)の発病程度が低かった有機栽培土壌および減農薬土壌に対して試験を行った。この2土壌に対してクロロホルム燻蒸、ストレプトマイシン・カナマイシン(SM・KM)およびベノミルの処理を行い、各処理土壌で病原菌接種試験を行った。上記の土壌から分離した菌株に対して対峙培養を行い、拮抗菌の探索を行った。【結果・考察】クロロホルム燻蒸試験の結果、各土壌とも発病抑止性が失われた。またキュウリ苗立枯病ではSM・KM接種・ベノミル接種した土壌の両方、ダイコン苗立枯病ではベノミル接種土壌が、無処理土壌と比較して発病程度が高くなった。このことから各土壌でキュウリ苗立枯病は細菌と真菌、ダイコン苗立枯病は真菌が発病抑止への関与していることが明らかになった。対峙培養の結果、OPU854株に対して細菌4株および真菌7株、1301930株に対して真菌15株が拮抗作用を示していた。今後は分離株の接種試験やリアルタイムPCRにより病原菌密度の推移を調べ、発病抑止の要因を調査する予定である。
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