P12-05 : 生物・化学的防除法によるアスパラガス立枯病誘導抵抗性並びにSODアイソザイム変動
Posted On 20 10月 2014
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1岐阜大・院・連合農学 , 2岐阜大・応用生物
改植障害を伴うアスパラガス忌地現象には病害、アレロパシーといった因子が示唆されている。本研究では、生物・化学的防除法によるアスパラガス立枯病誘導抵抗性評価、抗酸化機能及びSODアイソザイム変動について調査した。Split root system法によりアーバスキュラー菌根菌[AMF(Glomus intraradices)]、非病原性フザリウム菌(non-pathogenic Fusarium oxysporum, NPFO)、NaCl処理(50,100mM)を行った後、立枯病菌[Fusarium oxysporum f. sp. asparagi(MAFF305556)]を接種した。対照区の両根系では重度の立枯病発病がみられ、発病程度および発病指数はAMF、NPFO及びNaCl区の両根系において対照区より低下し誘導抵抗性が確認され、発病抑制効果はAMF単独区で最も高かった。一方、SOD活性、DPPHラジカル捕捉能、アスコルビン酸、ポリフェノール含量については、立枯病菌接種後において処理根及び非処理根の両方で増大する場合が多かった。AMF区におけるSODアイソザイム解析の結果、 Cu/Zn型・Mn/Fe型アイソザイムの分離が主に確認された。 この場合、Rf=0.33・0.37アイソザイムについてはAMF区で対照区より発現量が増大した。以上のことから、AMF、NPFO及びNaClによる立枯病誘導抵抗性が確認され、AMFによる耐病性誘導には、Cu/Zn型・Mn/Fe型SODアイソザイム活性の量的増大が密接に関連することが示唆された。
keywords:菌根菌,アスパラガス,忌地現象,抗酸化機能,誘導抵抗