P13-17 : 嫌気性原生動物細胞内に共生する難培養性バクテリア・アーキアの分子生物学的解析
Posted On 20 10月 2014
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1長岡高専, 2長岡技大・院・工
【目的】嫌気性原生動物は体内に共生細菌を宿しているが, その興味深い生態は未だ完全にベールに包まれている. 嫌気性原生動物細胞内の共生細菌を解析するためには, 雑多な原生動物を分離し, 個々の細胞に共生する細菌を調べる必要がある. 本研究では, 原生動物の走電性を利用した分離装置を作製し, 分離した原生動物細胞内の共生細菌叢を16S rRNA遺伝子に基づき解析した. 【結果】分離された原生動物は形態学的にMetopus conturtus, M. paraformis, Caenomolpha sp.と同定された. 興味深い発見として,3種の原生動物はそれぞれ異なる共生細菌を保有しており, M. conturtusからはMethanoregura sp.およびClostridium aminobutyricumが, M. paraformisからはMethanobacterium sp.およびEscherichia coliが確認された. また, Caenomolpha sp.からはMethanobacterium sp.およびE.coli, Lactbacillus sp.が確認された. 共生細菌は嫌気性原生動物の代謝産物を補食することで生き存えており, 各原生動物から異なる共生細菌叢を見いだした本研究の成果は, 原生動物の産生する最終代謝産物にバリエーションがあることを示唆している。この背景には嫌気性原生動物の多様な代謝ポテンシャルが存在すると考えられる.
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