S13-05 : 液状きゅう肥長期連用畑地土壌の窒素循環と微生物生態系

石川 美友紀1,奈良岡 雅大1,藤村 玲子2,高見 英人3,新美 洋4,西澤 智康5,太田 寛行5 1茨城大学大学院 農学研究科, 2東京大学 大気海洋研究所, 3海洋研究開発機構 海洋•極限環境生物圏領域, 4九州沖縄農業研究センター 畑作研究領域, 5茨城大学 農学部 農業での窒素施肥は温室効果ガス(N2O)の発生や地下水の硝酸汚染等の環境問題につながるため、窒素の動態に関わる土壌微生物生態系の理解は極めて重要といえる。窒素循環では細菌が主役になると理解されてきたが、近年、アンモニア酸化アーキアや脱窒糸状菌が発見され、窒素循環を担う微生物の多様性がわかってきた
Posted On 20 10月 2014
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S13-04 : メタゲノム解析から見た深海と海底下生態系の機能ポテンシャル

高見 英人 JAMSTEC メタゲノム解析は、ヒト、動物、昆虫や植物に常在する微生物叢の構成とその役割や自然環境に形成された様々な微生物生態系の多様性解析に欠くべからざる方法論として、広く用いられている。しかし、その多くは、16S rRNA遺伝やある特定の遺伝子のみを用いた種の多様性解析が主であり、微生物生態系全体が持つ機能とそれを担う微生物の分類学的特徴、また環境中に存在する生理・代謝機能の冗長性などを主体とした議論はあまりなされていない。これは、メタゲノム配列から、微生物の様々な生理・代謝機能を評価する方法論がまだ確立していないためである。  そこで我々の研究
Posted On 20 10月 2014
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S12-05 : 次世代シーケンシングが切り拓く「共生ゲノム学」

重信 秀治 1 20世紀までの共生研究は記載的な博物学的・生態学的研究が主であったが、21世紀に入るとゲノム解析技術の発展により、複雑な共生のシステムを遺伝子や分子の言葉で理解できるようになってきた。特に最近では、次世代シーケンシング技術などにより共生のゲノム科学は急速に発展しつつある。そのような背景で登場した「共生ゲノム学」は、ゲノム科学的アプローチで共生を理解することを目指した、新しい研究領域である。本講演の前半では、多様な共生系の共生ゲノム学的研究の動向を紹介するとともに、新しいシーケンシング技術を共生研究に適応する際の方法論を議論する。後半では、共生研究の
Posted On 20 10月 2014
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S12-04 : 昆虫と土壌微生物の共生:農業害虫カメムシ-土壌間の殺虫剤分解菌の動態解明

伊藤 英臣 産業技術総合研究所 生物プロセス研究部門 ダイズ害虫のホソヘリカメムシは、毎世代環境土壌中からBurkholderia属の共生細菌を獲得し腸内に保持することが知られている。近年、殺虫剤分解活性のあるBurkholderiaをホソヘリカメムシに経口摂取すると、その腸内に共生し宿主を殺虫剤抵抗性にしてしまうことを発見した。自然環境中では、殺虫剤散布によって土壌中の分解菌が増殖しカメムシに感染すると考えられるが、実際どのような感染動態が見られるのかはほとんど分かっていない。そこで本研究では、殺虫剤を散布した土壌で カメムシを飼育し、殺虫剤散布による土壌微生物
Posted On 20 10月 2014
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S12-03 : 植物病原糸状菌の寄生性分化:半身萎凋病菌の病原性系統とレース

宇佐見 俊行 千葉大学大学院園芸学研究科 Verticillium dahliae(半身萎凋病菌)は土壌伝染性の植物病原糸状菌で、幅広い双子葉植物に萎凋性病害をもたらす。本菌の菌株は複数種の植物に病原性を示すが、その宿主範囲は菌株ごとに様々である。また、トマトに病原性を示す系統では、抵抗性品種に対するレース分化も認められる。真性抵抗性遺伝子Ve1を持つトマト品種はレース1に抵抗性を示すが、レース2はこれを打破する。レースを決定する非病原力遺伝子VdAve1は、レース間のゲノム配列比較によりすでに明らかにされている。レース1はVdAve1を持ち、その翻訳産物がVe1
Posted On 20 10月 2014
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S11-04 : 走査型プローブ顕微鏡を用いたナノマニピュレータの開発とバイオ試料への応用

岩田 太1,2 1静岡大学大学院 工学研究科 機械工学専攻, 2静岡大学 電子工学研究所, 走査型プローブ顕微鏡は今日,観察手段のみでなく,微細加工やマニピュレータとしての技術開発が盛んに行われている.われわれはこれまで,プローブ顕微鏡を用いて様々な微細加工/マニピュレーション技術を開発している.こうした加工ツールとしてのプローブ技術について,本稿では特にバイオ試料への応用を考慮したマニピュレータ開発に関して最近の成果を紹介する。 1)ナノピペットを有するSPMによるマニピュレーション ナノスケールで物質を堆積できれば,デバイス作製やバイオ試料の高密度アレイ,細胞
Posted On 20 10月 2014
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S33-06 : Darwin’s Invertebrates: An Oasis for Ingested Anaerobes and a Source of Greenhouse Gases

Drake Harold L.1 1Department of Ecological Microbiology, University of Bayreuth Charles Darwin was fascinated by the capacity of earthworms to alter terrestrial habitats. However, Darwin was not aware that the impact of earthworms is due in part to their effect on the activities of in
Posted On 20 10月 2014
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S31-07 : 同位体顕微鏡法:安定同位体トレーサーのin situ局所解析法

久我 ゆかり 広島大学大学院総合科学研究科 同位体顕微鏡は二次イオン質量分析法(secondary ion mass spectrometry: SIMS)を基本として安定同位体マッピングをマイクロスケールで行うことができる装置であり,主に鉱物など宇宙科学の分野で同位体比の分析に用いられてきた.近年,本装置の生物学研究への応用として,安定同位体化合物を用いたトレーサー実験と微細構造観察用試料作製法と組合せる新規手法が注目されている.本手法は地球上の各元素の安定同位体天然存在比がほぼ一定であること利用し,安定同位体標識化合物・分子の挙動を同位体比として局所解析するも
Posted On 20 10月 2014
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S31-06 : 土壌は気候変動を増大させるか?:土壌から大地の微生物学へ

太田 寛行 茨城大学農学部 “Will soil amplify climate change?”(Powlson, 2005)の議論が始まり、“土壌炭素分解の温度感受性と気候変動へのフィードバック”(Davidson & Janssens, 2006)の論考では、土壌有機物の多様性と分解の温度感受性、そして環境制約との関係が指摘された。すなわち、土壌有機物の性状だけでなく、存在状態や水分条件等が有機物分解の見かけ上の温度感受性に関係するのである。それ以前に、Beareら(1994)は土壌の耐水性団粒を壊して発生する無機化CO2量から、土壌団粒内の微生物に
Posted On 20 10月 2014
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S13-06 : 腸内細菌代謝経路データベースの構築

山田 拓司 1東京工業大学 生命理工学研究科 生命情報専攻 ヒト腸管内には数多くの細菌が我々とともに共生しており、複雑な生態系を構築している。シーケンサーの技術的な発展やメタゲノム解析の登場により、培養を介さずに網羅機に細菌群集を解析対象とすることが可能となった。これまでには取り扱いが困難であった難培養性細菌も数多く明らかになりつつある。腸管内共生菌はビタミンの合成や短鎖脂肪酸分解系など、特徴的な代謝機能を持っており、さらには、細菌群集として複数種の細菌種が協調して働く例も報告されている。このような細菌の代謝機能は既存のデータベースに遺伝子とその反応経路が対応付け
Posted On 20 10月 2014
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