JS19-1:

インドネシア農耕地の物質循環に寄与する土壌細菌の多様性と利用可能性

大塚 重人 東京大学・大学院農学生命科学研究科  インドネシアの農耕地から、脱窒細菌、根粒細菌、リン酸可溶化細菌、およびメタン酸化細菌を分離または集積培養し、その活性を測定した。これらの細菌は、農耕地の物質循環において重要な役割を果たすと考えられている。 インドネシアの水田土壌から、脱窒細菌を分離した。分離株の大半は、日本などの温帯域からもよく分離される脱窒細菌と共通の属に分類された。しかし、Azonexus属、Diapholobacter属といったこれまで日本の水田からは報告されていない属の脱窒細菌や、Piscinibacter属、Azohydromonas属と
Posted On 06 10月 2015
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JS20-1:

新型多剤耐性菌の地球規模での蔓延

荒川 宜親 名古屋大  1940年代のペニシリンの工業的大量生産成功を契機に、様々な有効な抗菌薬が開発実用化され、1980年前後には、「細菌感染症はもはや、克服された病気や過去の病気」と多くの医療関係者が誤認するほどであった。しかし、そのような誤解も長くは続かず、1980年頃より、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が医療現場で広がり始め、また、新たにバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)や基質スペクトル拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)産生菌などが相次いで出現した。1990年代になると、多剤耐性結核菌(MDR−TB)、多剤耐性緑膿菌(MDRP)、多剤耐性アシネト
Posted On 06 10月 2015
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JS21-1:

水圏での薬剤耐性遺伝子保有者としてのyet-to-be cultured bacteria

鈴木 聡 愛媛大  薬剤耐性菌の研究は,感受性が耐性へ変化するフェノタイプを見なければならないため,これまではコロニーを形成する細菌で研究されてきた.臨床で問題となる多くの病原菌は培養可能だが,環境中での耐性遺伝子動態を知ろうとすると,多くを占める“培養できない細菌”を見なければならない.近年のレジストーム解析は全細菌のDNAを対象にできるが,菌種との対応,および遺伝子の定量化ができない.このように,現時点では耐性菌・耐性遺伝子の研究にはいくつかの壁がある.  演者は,培養可能菌と培養できない菌(種々の生理状態があるが,ここでは便宜的にyet-to-be cult
Posted On 06 10月 2015
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JS22-1:

藻類寄生性ツボカビの分類学的研究 −未知のツボカビの正体を探る−

瀬戸 健介, 出川 洋介 筑波大学菅平高原実験センター ツボカビは、後方一本鞭毛を持つ遊走子を生じることで特徴付けられ、系統的には真菌類の初期に分岐するグループである。水圏や土壌を中心に普遍的に存在し、難分解性物質を分解する腐生性のものや藻類など他の生物に寄生するものが知られ、約1000種が記載されている。 ツボカビの中でも特に藻類に寄生するツボカビは、植物プランクトンの個体群動態に影響を与える要因の1つとして古くから認識されてきたが、近年、水圏の食物網における重要な役割が見出された。ミジンコ等の動物プランクトンは、大型植物プランクトンを直接摂食できないが、植物プ
Posted On 06 10月 2015
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JS20-2:

家畜および野生動物における薬剤耐性菌の分布

浅井 鉄夫 岐阜大 人類と生活環境を共有する家畜や伴侶動物などの飼育動物に薬剤耐性菌が分布することが様々な分野で関心を集めている。これには、動物の治療などに使用される抗菌性物質が薬剤耐性菌の分布に大きく影響することが指摘され、畜産物を介して伝播する薬剤耐性菌の汚染源となる家畜における実態調査が、農林水産省により実施されるようになった。2000年頃には国内の家畜から殆ど分離されなかった第3世代セファロスポリン耐性大腸菌は、2005年ごろから肉養鶏から高頻度に分離されて注目されたが、2012年に関係業界が関連する薬剤の使用を自主規制したことにより低減した。現在、家畜に
Posted On 06 10月 2015
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JS21-2:

環境を汚染する難分解性農薬分解遺伝子群の水平伝播

永田 裕二, 大坪 嘉行, 津田 雅孝 東北大学・大学院生命科学研究科  人類の活動によって環境に放出された様々な環境汚染物質を分解・資化する細菌が存在する。難分解性芳香族化合物分解細菌では、一連の代謝酵素遺伝子群が共通の発現制御を受けるクラスターとしてプラスミド、トランスポゾン、ICE (integrative and conjugative element) などの可動性遺伝因子上に存在し、水平伝播することが明らかになっている。可動性遺伝因子と担う形質の組み合わせは多様であり、基本的な機構は薬剤耐性や病原性に関わる遺伝子の水平伝播と同じであると考えられる。一方
Posted On 06 10月 2015
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JS22-2:

原始的な陸上植物と共生する菌類,アツギケカビ目: その分類と菌根共生について

山本 航平1,2 1信州大学大学院総合工学系研究科, 2学振特別研究員(DC) コケ植物から種子植物に至る陸上植物の約9割は,生育に必須な土壌無機塩類や水分の効率的な吸収を菌根菌に依存している.そのため,陸上植物の祖先が過酷な陸上環境に進出し,その後に繁栄を遂げた際にも,菌根共生が重要な役割を果たしたと考えられている.特に,グロムス門(Glomeromycota)のアーバスキュラー菌根菌は多様な植物を宿主とし,この中には最も祖先的な陸上植物である苔類も含まれる.加えて,植物が初めて陸上進出を果たしたとされる約4億年前には,グロムス門が植物と共生していたことが化石か
Posted On 06 10月 2015
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JS19-2:

インドネシア海岸環境からのアクチノバクテリアの分離と分類学的多様性

浜田 盛之 製品評価技術基盤機構 放線菌は、細菌の一分類群でありながら糸状菌に似た複雑な形態的特徴を有し、抗生物質等の多くの生理活性物質生産菌が存在する有用菌群として知られている。一方、現在のリボソーム遺伝子塩基配列に基づく系統関係を中心とした分類においては、放線菌に含まれるにも関わらず菌糸状の形態を示さないものも数多く存在し、これらはアクチノバクテリアと呼ばれることが多い。アクチノバクテリアには有用酵素やアミノ酸、ビタミン等の生産菌や難分解性物質分解菌などが数多く含まれるため、産業上有用な菌群として扱われている。そのため、新規性の高いアクチノバクテリア菌株を分離
Posted On 06 10月 2015
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JS22-3:

グロムス門およびケカビ亜門菌類に内生するバクテリアの多様性

高島 勇介1, 成澤 才彦2 1東京農工大・連合農学, 2茨城大・農 細胞内共生細菌は、多くの生物群で見出されており、栄養の相互交換のような相利共生関係を維持することにより、互いの生存・繁殖能力を高めていることが知られている。しかし、菌類と細菌の相互関係に関する研究は、どのような菌類に細菌が内生しているのかを探索している段階にあり、相互関係に関する報告は少ない。グロムス門菌類の内生細菌としては、Candidatus Glomeribacter gigasporarum (CaGg)およびMollicutes-related endobacteria (Mre)の2
Posted On 06 10月 2015
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JS19-3:

インドネシアの熱帯林における外生菌根菌の多様性と群集構造

奈良 一秀1, Helbert —1,3, 宮本 裕美子1, 村田 政穂1, 田中 恵2, Sukarno Nampiah5, Sudiana Made3, Turjaman Maman4 1東京大学, 2東京農業大学, 3インドネシア科学院生物研究センター, 4インドネシア森林研究開発機構, 5ボゴール農科大学 森林の優占樹木の細根には外生菌根菌が普遍的に共生している。宿主樹木は養分吸収の大部分を外生菌根菌に依存しているため、適合する外生菌根菌いない環境では樹木は正常に成長することができない。これまで温帯域の森林において外生菌根菌の群集に関する研究は
Posted On 06 10月 2015
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