S31-04 : 土壌真菌群集と植物のネットワーク解析: 土壌管理への展望

東樹 宏和 京都大学 人間・環境学研究科 一握りの中にも数千・数万の細菌と真菌が息づく土壌は、科学が対象とするシステムの中でも最も複雑なものの一つである。一方で、地球レベルで喫緊の課題となっている温暖化、土壌流失、土壌汚染、食糧不足等の問題に対処するために、土壌圏の動態を包括的に理解する枠組みが求められている。本講演では、土壌真菌と宿主植物の共生ネットワークに関する次世代シーケンシング解析の成果を紹介しつつ、生態学の基礎的知見がもたらす土壌管理上の方向性について議論したい。農地であれ、森林であれ、ある植物種のバイオマスが増加すると、その相利共生(もしくは寄生)菌が
Posted On 20 10月 2014
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S31-05 : 地球温暖化と土壌微生物

妹尾 啓史  東京大学大学院農学生命科学研究科 農耕地土壌は、温室効果ガスの一つでありオゾン層破壊作用も有する一酸化二窒素(N2O)ガスの大きな発生源である。肥料に含まれる窒素が土壌微生物による形態変化を受けてN2Oが生成する。土壌においてN2O生成や消去に関わる鍵微生物を特定・分離・解析することはN2O発生削減技術の基盤として重要である。 農耕地土壌のうち畑土壌からのN2O発生が著しい。有機質粒状肥料を土壌に施用した際のN2O発生原因微生物の特定を試みた。肥料を土壌に混合施用した際のN2O発生は主に細菌脱窒に由来していた。土壌のメタゲノム情報を参考に、菌株ゲノム
Posted On 20 10月 2014
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S32-04 : 微生物細胞間シグナルの利用による革新的水処理技術への挑戦

豊福 雅典1,稲葉 知大1,尾花 望1,野村 暢彦1  1筑波大学 生命環境系 生物学的水処理は複合微生物系を用いた環境バイオテクノロジーの中で最も成功し,世界中で汎用されている技術の一つである.そこには,複合系特有の課題を含んでおり,その解決は水処理技術の安定化,効率化や汚泥の減容化に繋がるだけでなく,複合微生物系制御の指針となることが期待される.我々は複合微生物系制御の中で,いかにして特定の微生物群のみを制御するかについて研究を行ってきた.そこで注目しているのが,微生物間コミュニケーションである.細菌は,低分子化合物(シグナル物質)を用いてお互いにコミュ二ケー
Posted On 20 10月 2014
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S32-05 : バイオフィルムの形成抑制を目指した水処理用バイオインターフェイスの機能化

寺田 昭彦1,高橋 恵理加1,片山 美怜1,鈴木 香里1,細見 正明1  1東京農工大学 大学院工学研究院 応用化学部門 バイオフィルムは水処理リアクターの高速化に利用される一方、バイオフィルム由来のろ過膜の目詰まり(バイオファウリング)を引き起こす。淡水の確保が喫緊の課題である今日において、バイオファウリングを抑制可能な材料の開発が重要である。本研究では、バイオファウリング抑制のキーとなるバイオフィルムの生理的機能を抑える水処理用バイオインターフェイスの開発に取り組んだ。材料表面の修飾法としてグラフト重合法を用い、ポリエチレン(PE)製材料(シートおよびろ過膜)
Posted On 20 10月 2014
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S33-04 : Bacterial Evolution in Environment via Plasmid Conjugation

Nojiri Hideaki1 1Biotechnology Research Center, The University of Tokyo It is well-known that conjugative plasmid is an important agent in rapid adaptation of bacterial strains to some kind of environmental condition. In such evolutional process, the modification of host cell physiolo
Posted On 20 10月 2014
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S33-05 : The secret life of ICE in bacterial genome evolution and adaptation

Jan Roelof van der Meer1,François Delavat1,Ryo Miyazaki1,Nicolas Pradervand1,Friedrich Reinhard1,Sandra Sulser1,Noëmie Matthey1 1Department of Fundamental Microbiology, University of Lausanne Integrative and conjugative elements (or ICE) form an important new class of mobile DNA that
Posted On 20 10月 2014
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S11-05 : 形質転換・染色・前処理いらずの微生物集団4D解析技術COCRM

野村 暢彦1,稲葉 知大2,尾花 望1,豊福 雅典1 1筑波大学生命環境系, 2筑波大学大学院生命環境科学研究科 地球上の多くの微生物は集団形態(バイオフィルム)で存在していることが明らかになってきている。実際にバイオフィルムが形成される環境条件は非常に多様であり,バイオフィルムの生態を知るためには実環境を模した環境条件で,特別な処理を行わずに解析を行う事が望ましい。そこで我々は,バイオフィルムの非破壊的な観察,解析をキーワードとしてバイオフィルム研究技術の開発,改良を行ってきた。その中で開発されたのが,反射顕微鏡法を基礎としたContinuous-optimiz
Posted On 20 10月 2014
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S13-06 : 腸内細菌代謝経路データベースの構築

山田 拓司 1東京工業大学 生命理工学研究科 生命情報専攻 ヒト腸管内には数多くの細菌が我々とともに共生しており、複雑な生態系を構築している。シーケンサーの技術的な発展やメタゲノム解析の登場により、培養を介さずに網羅機に細菌群集を解析対象とすることが可能となった。これまでには取り扱いが困難であった難培養性細菌も数多く明らかになりつつある。腸管内共生菌はビタミンの合成や短鎖脂肪酸分解系など、特徴的な代謝機能を持っており、さらには、細菌群集として複数種の細菌種が協調して働く例も報告されている。このような細菌の代謝機能は既存のデータベースに遺伝子とその反応経路が対応付け
Posted On 20 10月 2014
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S31-06 : 土壌は気候変動を増大させるか?:土壌から大地の微生物学へ

太田 寛行 茨城大学農学部 “Will soil amplify climate change?”(Powlson, 2005)の議論が始まり、“土壌炭素分解の温度感受性と気候変動へのフィードバック”(Davidson & Janssens, 2006)の論考では、土壌有機物の多様性と分解の温度感受性、そして環境制約との関係が指摘された。すなわち、土壌有機物の性状だけでなく、存在状態や水分条件等が有機物分解の見かけ上の温度感受性に関係するのである。それ以前に、Beareら(1994)は土壌の耐水性団粒を壊して発生する無機化CO2量から、土壌団粒内の微生物に
Posted On 20 10月 2014
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S31-07 : 同位体顕微鏡法:安定同位体トレーサーのin situ局所解析法

久我 ゆかり 広島大学大学院総合科学研究科 同位体顕微鏡は二次イオン質量分析法(secondary ion mass spectrometry: SIMS)を基本として安定同位体マッピングをマイクロスケールで行うことができる装置であり,主に鉱物など宇宙科学の分野で同位体比の分析に用いられてきた.近年,本装置の生物学研究への応用として,安定同位体化合物を用いたトレーサー実験と微細構造観察用試料作製法と組合せる新規手法が注目されている.本手法は地球上の各元素の安定同位体天然存在比がほぼ一定であること利用し,安定同位体標識化合物・分子の挙動を同位体比として局所解析するも
Posted On 20 10月 2014
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