JS12-3:

珪藻Chaetoceros tenuissimusとそれに感染するウイルスの鬩ぎ合いと共生関係

木村 圭1, 外丸 裕司2 1佐賀大低平地沿岸セ, 2水研セ瀬戸水研 珪藻は海洋基礎生産量の3〜7割を担うとも言われる重要生産者であり、珪藻の挙動に影響を与える因子の解明は海洋生態系の理解には欠かせない。2000年代初め、珪藻のブルーム崩壊に影響を与える可能性のある、珪藻感染性ウイルスが発見された。その後、沿岸域でブルームを形成する小型浮遊性珪藻C. tenuissimusとウイルスの挙動調査が数年間に亘って実施された。その結果、現場におけるウイルスの増加は宿主個体群のブルームと密接に関係しているものの、ウイルスが必ずしもブルーム崩壊の決定要因にはならない可能性が
Posted On 06 10月 2015
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JS13-3:

バレイショ・テンサイ有用細菌の野菜類に対する接種効果

野見山 孝司1, 関口 博之1, 岡崎 和之2, 森 一幸3, 富濱 毅41農研機構近中四農研, 2農研機構北農研, 3長崎農林技開セ, 4鹿児島農総セ 【背景・目的】 2011年~2013年度にかけて実施した気候変動プロB6系において、バレイショ、テンサイに生育促進効果を有する複数種の有用細菌を選抜した。2014年度から実施している農食事業(26065B)では、有用細菌の接種効果の向上を図るとともに、他の野菜類への適用範囲の拡大を試みている。 【方法および結果】 (1) バレイショに対するバレイショ有用細菌の接種効果(長崎県)  バレイショにおける有機物資材の施
Posted On 06 10月 2015
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JS14-3:

未利用エネルギー資源開発への地圏微生物学の挑戦

眞弓 大介1, 玉澤 聡2, 玉木 秀幸2, 前田 治男3, 若山 樹, 五十嵐 雅之3, 鎌形 洋一2, 坂田 将1 1産総研・地圏資源, 2産総研・生物プロセス, 3INPEX  天然ガス資源としてのメタンは人類にとって「良いメタン」である。そのような良いメタンは油田やガス田、炭田、海底下メタンハイドレートなど地下に広く分布しており、そのうちの大部分は地下の(堆積)有機物が地熱によって分解され生成する熱分解起源のメタンとされる。一方で、堆積有機物の微生物分解によって生成した微生物起源のメタンは可採天然ガス資源量の20%以上を占める。現存する微生物起源のメタンは
Posted On 06 10月 2015
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JS18-4:

深地層研究施設を利用した深部堆積岩および花崗岩における微生物生態学的研究

天野 由記, 佐々木 祥人, 伊勢 孝太郎, 岩月 輝希 日本原子力研究開発機構 日本原子力研究開発機構では、岐阜県瑞浪市と北海道幌延町に深部地下研究施設(瑞浪URLおよび幌延URL)を建設し、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術の基盤となる研究開発を実施している。その一環として、我々は花崗岩を対象とした瑞浪URLおよび堆積岩を対象とした幌延URLの様々な深度から地下水試料を採取して、深部地下に生息する微生物群集分布と現存量に関する調査研究を進めてきた。その結果、現存量や微生物サイズ分布の岩層への依存性を確認するとともに、16S rRNA遺伝子のクローンライブラリー
Posted On 06 10月 2015
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JS11-4:

氷衛星での生命の可能性とサンプルリターン計画

高井 研 JAMSTEC  近年、NASAの太陽系探査が進むにつれ、木星や土星の氷衛星の内部に海が存在することが明らかになりつつある。これらの内部海は、衛星表面を覆う氷が、衛星間や巨大惑星との間に生じる潮汐力による摩擦熱や蛇紋岩化発熱反応によって温められ、熱水反応によって生じた熱水と氷水の混合で形成されていると考えられている。内部海の存在は岩石核と熱の存在とほぼ同義であり、かつ現在進行中の海底熱水活動を意味する。さらに最近では、太陽系最大の準惑星であるケレスにおいても同様の内部海の存在が示唆されている。太陽系地球外海洋の存在は、天体環境レベルでのエネルギー量論的な
Posted On 06 10月 2015
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JS10-4:

インド洋酸素極小層の表層堆積物中の微生物相と有機物消費過程

野牧 秀隆 海洋研究開発機構 インド洋北東部では、水塊中の溶存酸素濃度が0.4_Mを下回るほどの顕著な酸素極小層が発達している。その影響下にある堆積物表層および堆積物中の生物は、底層水の溶存酸素濃度によってその分布や代謝に大きな制約を受けていると考えられる。我々は、酸素極小層内の酸素濃度の勾配と、堆積物中の微生物相・有機物消費過程の関係を探るため、堆積物中の微生物群集構造解析および海底現場での培養実験を行った。試料採取および現場実験は、底層水の酸素濃度の異なる酸素極小層内の3地点で行い、間隙水の栄養塩濃度、有機物濃度、微生物の多様性および定量解析、そしてメタゲノム
Posted On 06 10月 2015
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JS19-4:

インドネシア産キナ(Cinchona spp.)から分離された内生菌類とその利用の可能性について

岡根 泉 筑波大学生命環境系  Cinchona属植物(キナ; アカネ科)は抗マラリア薬の原材料として利用され、インドネシアでは経済的に重要な樹種の1つである。本研究では、Cinchona属植物における内生菌の種多様性、生態的特徴および抗マラリア作用をもつシンコナアルカロイドの産生能を明らかにするとともに、分離株を保存し応用利用に向けた体制を整えることを目的とした。  西ジャワに位置するチボダス植物園(CBG)と茶・シンコナ研究所(RITC)でCinchona pubescensを採集し、葉身、葉柄、枝および樹皮から表面殺菌法により内生菌の分離・培養を行った。その
Posted On 06 10月 2015
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JS12-4:

高効率dsRNAシークエンシングによる細胞内RNAウイルスワールドの発見

浦山 俊一 海洋研究開発機構 海洋生命理工学研究開発センター 生命機能研究グループ  ウイルスはその複製の場である宿主細胞と密接に関わっており、細胞死や溶菌など、様々な宿主細胞の性状・状態変化を介して生態システムとも相互作用している。このようなウイルスの作用を理解するためには、第一に対象試料中のウイルス組成を明らかにする必要があり、その手段として、宿主細胞の培養やウイルスの単離に依存しないウイルスメタゲノム配列解読手法は大きな役割を果たしている。 近年のシークエンス技術の進歩により、海や土壌、湖沼、河川など、環境中にはこれまで想定されていなかったほど多様なウイルス
Posted On 06 10月 2015
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JS17-4:

群集生態学のモデルシステムとしての微生物群集

瀧本 岳 東京大学大学院農学生命科学研究科 近年の技術発展により、微生物の群集構成(どの分類群がどれだけいるのか)の記述が現実的になってきた。また、微生物群集は、生態系の様々な機能や人の健康とも密接に関わっており、その構造と機能を管理するための科学体系が求められている。この背景に対応して、微生物を対象とした群集生態学の構築を目指す研究動向が活発化している。本発表ではまず、微生物の群集生態学の近年の展開を、「多様性の空間パターン」、「群集の構造とその機能性」、「微生物生態系の管理」の3つの視点からレビューする。ついで、現在の群集生態学の課題として、群集生態学における
Posted On 06 10月 2015
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JS13-4:

有用細菌の資材化の試み

三星 暢公1, 紀岡 雄三1, 野口 勝憲1, 岡崎 和之2 1片倉チッカリン株式会社, 2北海道農研セ  有用微生物を農業利用するこころみは古くから行われている。堆肥や有機質肥料の利用は栄養成分の供給だけでなく、土壌の理化学性の改善とともに、土壌微生物の働きを高める役割がある。このように土着の微生物が豊かになると、土壌の物理性が改善され、栄養成分の循環が起こり、根圏環境が改善される。また、微生物の分泌物が根の生長促進の刺激になるなど、健全な作物生産に大いに貢献していると考えられる。 有用微生物を資材化し、土壌へ施用することは、土壌の生物性の改善につながる。例えば
Posted On 06 10月 2015
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