JS17-3:

微生物群集のレジリエンスを理解するための数理生態学:基礎と応用

鈴木 健大 国立環境研究所, 生物生態系環境研究センター レジリエンスは生物群集や生態系が撹乱を受けた場合の復元力や復元可能性を表す言葉である。レジリエンスが低い生態系は高い生態系と比べて、小さな撹乱に対しても容易に元来の状態を変えてしまう。このような考え方は、生物群集や生態系が複数の安定な状態(多重安定性)を持つことを暗に仮定している。多重安定な系は、一度異なる状態へと変化した場合、何らかの環境の変化や人為的な操作なくしては元の状態を復元することができない。例えば、湖沼におけるアオコの発生メカニズムは、このような多重安定性と関係している可能性がある。 これまで生
Posted On 06 10月 2015
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JS18-3:

付加体の地下圏微生物を利用した分散型エネルギー生産システムの創成

木村 浩之1,2, 松下 慎2, 石川 修伍3, 眞柄 健太1 1静大・理・地球, 2静大・創造院・環境, 3静大・総合科学・理  東日本大震災の影響で国内の全ての原発が停止している。その影響により日本のエネルギー自給率は6%まで低下した。その後、日本政府は原発を重要なベースロード電源として位置付け、2030年までに原発の電源構成比率を20〜22%まで回復させるとともに、再生可能エネルギーの電源構成比率を22〜24%に引き上げる方針を示した。また、エネルギー自給率を東日本大震災前の20%を上回る25%まで引き上げる計画も示した。現在、新たなエネルギー生産技術の開発
Posted On 06 10月 2015
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JS19-3:

インドネシアの熱帯林における外生菌根菌の多様性と群集構造

奈良 一秀1, Helbert —1,3, 宮本 裕美子1, 村田 政穂1, 田中 恵2, Sukarno Nampiah5, Sudiana Made3, Turjaman Maman4 1東京大学, 2東京農業大学, 3インドネシア科学院生物研究センター, 4インドネシア森林研究開発機構, 5ボゴール農科大学 森林の優占樹木の細根には外生菌根菌が普遍的に共生している。宿主樹木は養分吸収の大部分を外生菌根菌に依存しているため、適合する外生菌根菌いない環境では樹木は正常に成長することができない。これまで温帯域の森林において外生菌根菌の群集に関する研究は
Posted On 06 10月 2015
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JS22-4:

昆虫寄生菌Ophiocordycipitaceae科の多様性と病原性

伴 さやか (独)製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンター  Cordyceps sensu lato (以下、s.l.)(Ascomycota, Hypocreales) は、昆虫寄生性糸状菌の中で属・種数ともに最も多い。2007年Sungらにより再分類が行われ、旧Cordycepsは3科5属に分割された。これらがアナモルフ15属と関連する。宿主となるのはクモ・ダニを含む節足動物10目に及び、一部は他菌や植物の種子にも寄生する。3科のうちOphiocordycipitaceaeは生育が非常に遅い。宿主に対する特異性が高く、微生物農薬として期待されるため、筆
Posted On 06 10月 2015
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KPL-3:

Extreme halophiles and carbon monoxide: looking through a window at Earth’s past and towards a future on Mars

King, Gary M. Department of Biological Sciences, Louisiana State University, Baton Rouge, LA 70803 Carbon monoxide occurs throughout the cosmos, and is ubiquitous on Earth, where various terrestrial Bacteria have long been known to use it as a carbon and energy source. CO-oxidizing ba
Posted On 06 10月 2015
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JS10-4:

インド洋酸素極小層の表層堆積物中の微生物相と有機物消費過程

野牧 秀隆 海洋研究開発機構 インド洋北東部では、水塊中の溶存酸素濃度が0.4_Mを下回るほどの顕著な酸素極小層が発達している。その影響下にある堆積物表層および堆積物中の生物は、底層水の溶存酸素濃度によってその分布や代謝に大きな制約を受けていると考えられる。我々は、酸素極小層内の酸素濃度の勾配と、堆積物中の微生物相・有機物消費過程の関係を探るため、堆積物中の微生物群集構造解析および海底現場での培養実験を行った。試料採取および現場実験は、底層水の酸素濃度の異なる酸素極小層内の3地点で行い、間隙水の栄養塩濃度、有機物濃度、微生物の多様性および定量解析、そしてメタゲノム
Posted On 06 10月 2015
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JS11-4:

氷衛星での生命の可能性とサンプルリターン計画

高井 研 JAMSTEC  近年、NASAの太陽系探査が進むにつれ、木星や土星の氷衛星の内部に海が存在することが明らかになりつつある。これらの内部海は、衛星表面を覆う氷が、衛星間や巨大惑星との間に生じる潮汐力による摩擦熱や蛇紋岩化発熱反応によって温められ、熱水反応によって生じた熱水と氷水の混合で形成されていると考えられている。内部海の存在は岩石核と熱の存在とほぼ同義であり、かつ現在進行中の海底熱水活動を意味する。さらに最近では、太陽系最大の準惑星であるケレスにおいても同様の内部海の存在が示唆されている。太陽系地球外海洋の存在は、天体環境レベルでのエネルギー量論的な
Posted On 06 10月 2015
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JS12-4:

高効率dsRNAシークエンシングによる細胞内RNAウイルスワールドの発見

浦山 俊一 海洋研究開発機構 海洋生命理工学研究開発センター 生命機能研究グループ  ウイルスはその複製の場である宿主細胞と密接に関わっており、細胞死や溶菌など、様々な宿主細胞の性状・状態変化を介して生態システムとも相互作用している。このようなウイルスの作用を理解するためには、第一に対象試料中のウイルス組成を明らかにする必要があり、その手段として、宿主細胞の培養やウイルスの単離に依存しないウイルスメタゲノム配列解読手法は大きな役割を果たしている。 近年のシークエンス技術の進歩により、海や土壌、湖沼、河川など、環境中にはこれまで想定されていなかったほど多様なウイルス
Posted On 06 10月 2015
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JS13-4:

有用細菌の資材化の試み

三星 暢公1, 紀岡 雄三1, 野口 勝憲1, 岡崎 和之2 1片倉チッカリン株式会社, 2北海道農研セ  有用微生物を農業利用するこころみは古くから行われている。堆肥や有機質肥料の利用は栄養成分の供給だけでなく、土壌の理化学性の改善とともに、土壌微生物の働きを高める役割がある。このように土着の微生物が豊かになると、土壌の物理性が改善され、栄養成分の循環が起こり、根圏環境が改善される。また、微生物の分泌物が根の生長促進の刺激になるなど、健全な作物生産に大いに貢献していると考えられる。 有用微生物を資材化し、土壌へ施用することは、土壌の生物性の改善につながる。例えば
Posted On 06 10月 2015
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JS14-4:

メタン生成アーキアと細胞外電子伝達

加藤 創一郎1,2,3 1産業技術総合研究所, 2北海道大学, 3東京大学 「細胞外電子伝達」は微生物の代謝機構の一つであり、微生物細胞と細胞外の固体状物質との電子授受反応を可能にする機構である。近年、微生物の細胞外電子伝達能を利用したエネルギー変換、物質生産、環境浄化に関する研究が盛んにおこなわれている。メタン生成アーキアはメタンを生成することで生育に必要なエネルギーを得るが、そのエネルギー(電子)源としては水素、ギ酸、酢酸、およびメタノール等の単純なメチル化合物といった、ごく限られた基質しか利用できないと考えられていた。しかし近年の研究により、ある種のメタン生
Posted On 06 10月 2015
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