HS-246:ユレモ(シアノバクテリア)の運動
茨城県立土浦第三高等学校
先輩方が大型水槽を清掃し,水だけを入れておいたところ,水槽のガラス面にびっしりと発生した藻を観察したところ,運動していることがわかった。調べてみるとユレモの仲間であると判明した。
①運動について
運動は以下の2つのパターンがある。
・直線運動:この運動はユレモが水中をまっすぐに運動していくものである。たまに2本が絡み合って,互いに逆方向にらせん状に動くこともある。動く方向に極性はなく右に動いていたと思うと左に動くことがあるので,尾部と頭部の区別は付かない。
・円錐運動:一方向に動きながら,ユレモが円錐を描くように曲がる運動である。
②温度による運動速度の変化
温度を変化させながら運動の様子を見てみると,運動速度は35℃がピークであることがわかった。なお,40℃を超えると死滅する。
③乾燥耐性について
乾燥させても,周囲にガラスのようなものをまとう状態になると死滅することなく水に入れれば再生することがわかった。乾燥状態の場合は50℃まで温度を上昇させても再生することがわかった。
④走性について
走地性・走光性・走電性の実験を行った。
走地性についてはガラス面に均一に広がることから,無いと言える。
ぬれたろ紙の上にユレモを於いて片方のみから光を当てると光の方に成長することから走光性はあると言える。
走電性については,良い電極が見つけられずに答が出ていない。
⑤単離について
茨城大学農学部西澤准教授のご指導の下,今までの実験をしっかりと検証すべく,培養液の合成および単離実験を行っている最中である。この結果については学会にて発表します。
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