HS-241:ミントタブレットの抗菌効果
山村学園 山村国際高等学校
《はじめに》
気分転換のときに口にするミントタブレット(ミント菓子)。アロマテラピー検定資格を持っている先輩は、ペパーミントには抗菌効果があると話していた。そこでミントタブレットにも、ペパーミントによる抗菌効果があるのではと考え(仮説)、研究を行った。
《材料および方法》
錠菓であるミントタブレットには多くの種類があるが、今回は9種類(ソフトタイプ6種・ハードタイプ3種)の「ミンティア」を検体として選んだ。抗菌効果を計測する試験菌株は、希釈法で濃度調節した納豆菌を使用した。そして、この納豆菌を塗布した万能寒天培地に「ミンティア」を3個ずつ等間隔に置き、38℃・18時間、好気条件下で培養した。培養後、試験菌株の増殖を阻害した阻止円範囲を計測して、この平均値を抗菌範囲とした。抗菌効果の算出には、阻止円範囲が培地全面(85≧mm)である場合を最大値の抗菌効果と考え、これを基準(1.00)として、他の検体とを比較した(ハードタイプは阻止円範囲が広く、他の検体と干渉したので、万能寒天培地に1個ずつ置いた)。
《結果および考察》
ソフトタイプの甘味のある「ミンティア」は、抗菌効果が低い値であったが、ハードタイプのクール感のある「ミンティア」では、抗菌効果が高い値を示した。部員による官能試験でも、ハードタイプはミントの辛みが強く、口から鼻に突き抜けて「スカッ」とした。これはペパーミントの作用によるもので、喉の痰を切り、咳を鎮め、鼻の詰まりを改善し、抗菌にも作用するといわれる。したがって、ハードタイプにはミントの作用による高い抗菌効果が確認できた。この高い抗菌効果は、試験菌株がグラム陽性菌でもあるので、細胞壁の単純構造からミント成分に侵入を許し、効果が得られたと考察している。
《今後の展望》
ミントタブレットの「ミンティア」は、グラム陽性菌に高い抗菌効果をおよぼしたが、グラム陰性菌に対してはどうだろうか。私たち1年生部員のスキルアップをはかり、試験菌株を変えて研究を続けたい。
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