HS-240:除菌スプレーと合成洗剤による除菌効果
山村学園 山村国際高等学校
《はじめに》
家庭で使用する除菌スプレーや台所用合成洗剤のパッケージには「99.9%」除菌とある。本当なのか!?この疑問から、過去の生物部の抗菌効果の研究より、こんなに高い除菌効果は存在しないと考え(仮説)、研究を開始した。
《材料および方法》
研究には予備実験(抗菌力試験)の結果から、除菌スプレーには「ファブリーズ」、台所用合成洗剤には「ジョイ」を選んだ。除菌スプレーの除菌効果の測定には、生菌(グラム陽性菌の納豆菌)を付着させ乾燥させた綿布に「ファブリーズ」を噴霧して、除菌されなかった生菌を希釈法にて生菌総数(CFU/g)とした。また除菌効果の比較として、太陽光と紫外線殺菌灯を照射した綿布も、同様に希釈法にて生菌総数とした。一方、台所用合成洗剤の除菌効果の測定には、生菌を付着させ乾燥させた布巾に「ジョイ」を十分浸透させ、一晩浸け置いた後、これも希釈法にて生菌総数とした。さらに台所用合成洗剤の「ジョイ」に、除菌効果の高い天然精油を添加し、除菌力を強化した「ジョイ」を試作した。
《結果および考察》
研究の結果、「ファブリーズ」の生菌(納豆菌)に対する除菌効果は低く(30.0%)、「99.9%」の除菌効果は検証できなかった。しかし、太陽光(93.0%)や紫外線殺菌灯(99.3%)では高い除菌効果が発揮され、除菌スプレーの化学物質による効果より、太陽光や紫外線殺菌灯による除菌効果の有効性が検証できた。また「ジョイ」の場合は、一晩浸け置くことにより布巾の生菌は大幅に減少(91.5%)したが、「99.9%」の除菌抗菌は発揮されなかった。しかし「ジョイ」に、天然精油のレモングラスを20.0%添加すると、除菌効果が強化(2.5倍)された。これを台所用の強力除菌合成洗剤の使用法として提案する。
《今後の展望》
今回の研究で、台所用合成洗剤に天然精油を添加すると高い除菌効果が誕生したことから、生菌を食中毒原因菌に変えて除菌力を追求したい。
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