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P26-13 : Lactobacillus plantarumにおけるバイオフィルム形成に関与する表層タンパク質の解析
Posted On 20 10月 2014
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1筑波大学大学院生命環境科学研究科 , 2筑波大・生命環境, 3花王・安全性科学研, ,
乳酸菌は、有益菌として知られている一方、食品危害菌としても認知されている。危害菌としての乳酸菌は主に原料や食品中で、バイオフィルム(BF)形態をとり、様々なストレスに対しての耐性能を獲得していると考えられる。そこで乳酸菌BFの新たな制御法を見据えて、乳酸菌BFに影響を与える因子の探索、そのメカニズムの解明を目的とした。本研究ではLactobacillus属における菌体表層タンパク質に着目し、BF形成及びBF構造との関係性を解析した。先行研究より、L. plantarum の表層タンパク質は高pHで処理すると、遊離することが明らかとなっている。そこでpH処理を用いて、BFの表層タンパク質を除去し、共焦点レーザー顕微鏡でBFの構造を解析した結果、BF構造が破壊された。質量分析法を用いてL. plantarumの表層タンパク質を解析したところ、主要タンパク質としてglyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase(GAPDH)を同定した。そこで、抗GAPDH抗体を作成し、表層に存在するGAPDHとBFとの関連を解析した。抗GAPDH抗体を培養液中に添加し、培養した結果、菌の増殖が抑制されており、BF中に含まれる菌体量が減少していた。また、抗GAPDH抗体添加した際のBFの構造を共焦点レーザー顕微鏡によって解析した結果、BF培養初期においてBFの厚み及びBF中の菌密度が低下した。以上の結果よりL. plantarumにおいて、抗GAPDH抗体の添加はBF形成を抑制すると考えられ、主要な表層タンパク質であるGAPDHはBF形成に関与していることが示唆された。
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