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IPCC*が示す地球温暖化の最新予測と対策
Posted On 04 10月 2015
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今年の夏も大変な猛暑でした。最近では、集中豪雨や土砂災害、農作物の被害、夏の熱中症、巨大台風などが毎年のように発生して、生活の中で、気候変動の影響を実感するまでになっています。さらに問題なのは、21 世紀を通して温暖化が一層激化すると予測されていることです。それを抑えるために、今年12月には、パリで気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)が開かれ、2020年以降の国際的対策の目標が議論されます。
気候変動に関わる国際交渉の基礎となるのは、2014年に発表された「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第5次報告書です。それによれば、将来の温暖化は、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出の程度によって左右されますが、21 世紀末までに平均気温がさらに1.6 ~4.3℃程度上昇すると予測されています。温暖化する世界では、どのような影響が現れるのでしょうか。それに対して、どのような対策をとるべきでしょうか。IPCC第5次報告書の総括執筆者を務めた経験に基づいて、地球温暖化の最新の予測と今後の対策の可能性について紹介します。
*IPCC: 気候変動に関する政府間パネル。1988年に世界気象機関と国連環境計画により設立された組織。