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P25-45 : オルガネラ様防衛共生細菌Profftellaの姉妹系統の探索
Posted On 20 10月 2014
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1豊橋技科大, 2, 3, ,
ミカンキジラミ(Diaphorina citri)は半翅目のキジラミ科に属する昆虫で、カンキツグリーニング病の媒介により柑橘類に致命的な被害を与える世界的に重要な農業害虫である。腹部体腔内に「bacteriome」と呼ばれる共生器官を持ち、2種類の共生細菌Candidatus Profftella armatura (以下Profftella, Betaproteobacteria)とCandidatus Carsonella ruddii (Gammaproteobacteria) を収納している。我々の先行研究により、1) Profftellaは極小ゲノム (464,857bp) を持ち、世界のミカンキジラミ個体群に普遍的に存在するなど、オルガネラと同様、宿主と融合・一体化する傾向を示しながら、毒を生産して宿主を天敵から守る、これまで知られていなかったタイプの防衛共生体であること、2) Profftellaの産生する新規ポリケチド「ディアフォリン」は、抗腫瘍活性を示し、創薬シード化合物として有望であること、3) bacteriome共生系がミカンキジラミの新規防除法開発の標的として適していること、等が明らかとなった。これまでProfftellaはミカンキジラミのみから見出されていたが、本研究では、Profftellaの進化解析と応用研究の基盤構築のため、26種の多様な系統のキジラミを用いて16S rRNA遺伝子のアンプリコン解析を行い、Profftella姉妹系統の探索を試みた。複数のProfftella姉妹系統の発見について、キジラミの多様な共生細菌叢とあわせて報告する。
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