Previous Story
P25-40 : 運動共生系の共生体のゲノム解析:Mixotricha paradoxa の細胞表面共生バクテロイデスを対象として
Posted On 20 10月 2014
Comment: Off
1東工大・地球生命, 2長崎大・水産, 3シドニー大, 東工大・生命理工,
背景と目的】ムカシシロアリ(Mastotermes darwiniensis )の腸内に共生する原生生物ミクソトリカ( Mixotricha paradoxa )の細胞表面に共生している細菌の表面には、バクテリアと複数種のスピロヘータが一面に接続している。宿主原生生物は自身の鞭毛を持つが、それで運動は出来ず、表面に接続したスピロヘータが同調して行う波状運動によって遊泳する「運動共生系」を構築している。一方、シロアリ腸内原生生物では、細胞表面に細菌を付着している例が数多く知られているが、それらは運動共生をしていない。これらと運動共生細菌のゲノム比較から、宿主と共生体の間のシグナル伝達関与遺伝子や共生化によるゲノムリダクションの観察が可能と考えられる。本研究では、「運動共生系」の全貌を明らかにする事を最終目的とし、まず、共生体の一種であるバクテロイデスのゲノム解読を行った。 【方法】シロアリ腸内から原生生物をマイクロマニピュレーションによって単離後、固定と破壊の処理を行い、主にバクテロイデスからなる細胞集団を取得した。WGA法でこのゲノム増幅を行い、得られたゲノム産物は次世代シーケンサー( Miseq )を用いて配列を読み、IDBA-UDやSPAdesを使って解析を行った。 【結果と考察】バクテロイデスを主な集団として取得したサンプルのうち、別の共生体である複数種のスピロヘータ−の混在が考えられるものも見られた。しかし、バクテロイデスと思われる配列が取得出来ており、解析を進めることで完全ゲノム解読に近づけると考えられる。
keywords:,,,,