Previous Story
P25-20 : 一酸化二窒素生成活性を有する土壌糸状菌の内生細菌保有に関する研究
Posted On 20 10月 2014
Comment: Off
1茨城大・院農, 2, 3, ,
先に、佐藤らは畑地土壌より分離したN2O生成活性をもつ糸状菌Mortierella elongata FMR23-6I-B1株が菌糸内部にBurkholderiaceae科に属する細菌を保有していること、また、牛糞スラリー長期連用畑地土壌より分離した糸状菌株において、N2O生成活性を有する菌株が多数あることを報告した。本研究ではN2O生成活性を有する糸状菌分離株コレクションで、内生細菌の保有状況について明らかにすることを目的とした。供試糸状菌株は、九州沖縄農業研究センター・都城研究拠点の長期スラリー連用畑地土壌(年間スラリー施用量600 Mg/ha区)から分離したN2O生成活性を有する107株を用いた。糸状菌体からDNAを抽出・精製し、細菌16S rRNA遺伝子を標的としてPCR増幅を行い、増幅の見られた糸状菌株は、菌糸体をLIVE/DEAD染色して蛍光顕微鏡観察した。16S rRNA遺伝子のPCR増幅およびLIVE/DEAD染色による蛍光顕微鏡観察により、糸状菌分離株4株(近縁菌種、Hypocreaceae sp., Trametes hirsuta , Myrothecium cinctum, Schizophyllum commune)の菌糸内に内生細菌様構造物の存在を確認した。これらの菌株のNaNO2を基質としたN2O生成活性は、0.004~8.3 ng/N2O-N mg dry weight minであった。現在、内生細菌の16S rRNA遺伝子を解析中である。以上の結果より、供試土壌中の培養可能なN2O生成糸状菌では内生細菌の保有率は数%程度であると推察された。
keywords:Endosymbiosis,Fungal denitrification,,,