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P25-13 : 好気従属栄養性窒素固定細菌と緑藻の栄養共生系の探索
Posted On 20 10月 2014
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1首都大学東京・理工・生命科学, 2, 3, ,
【目的】河床礫上では、窒素源の供給が限られているにもかかわらず緑藻が繁茂している様子が観察される。緑藻が優占する河床礫バイオフィルムでは、窒素固定細菌が窒素化合物の供給を担っていると予想される。本研究では、好気条件下で窒素固定する従属栄養細菌に注目し、炭酸固定産物と窒素固定産物を相互に授受する緑藻と細菌の栄養共生系を自然界から見出すことを目的とした。【方法】多摩川上流において、緑藻が優占する河川礫バイオフィルムを採取し、窒素化合物および有機炭素源を含まない寒天平板培地に塗布して、25℃、好気・恒明条件で培養した。生育した緑色コロニーを同条件で継代培養した。【結果】河床礫バイオフィルムから、窒素化合物を含まない寒天培地で生育する緑色コロニーを取得し、安定に継代培養することに成功した。得られた緑色コロニーには、単細胞緑藻のほかに、細菌が検出された。これらを炭酸固定条件、窒素固定条件で分離したところ、SSU rRNA遺伝子の塩基配列解析から、緑藻はDesmodesmus komarekii (97.7%)に 、細菌はArcicella rosea (99.8%)にそれぞれ近縁であった。分離したArcicella sp.とDesmodesmus sp.を寒天平板培地を用いて共培養したところ、二者の共コロニーが形成することを確認できた。本系では、細胞同士が近接したコロニー内で窒素化合物と炭素化合物をやり取りを通して、二者が互いに生育を促進しあっていると考えられる。
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