Previous Story
P25-12 : 圃場条件下におけるサツマイモへの窒素固定エンドファイトの接種効果
Posted On 20 10月 2014
Comment: Off
1佐賀大・農・作物生態生理学, 2農研機構・中央農業総合研究センター, 3, ,
私達はこれまでに、サツマイモより分離した窒素固定エンドファイト(Bradyrhizobium sp. AT1)を無菌サツマイモ(ベニアズマ)に接種すると、生育が促進され、根および地上部で窒素固定を行うことを示してきた。本研究では、サツマイモを圃場栽培し、Bradyrhizobium sp. AT1接種による生育ならびに窒素吸収量への影響を調査した。サツマイモ(ベニアズマ、アヤムラサキ、高系14号)の栽培は、中央農業総合研究センター(2012度)および佐賀大学農学部(2013年度)で行った。苗の切り口をBradyrhizobium sp. AT1の菌液または滅菌水に一晩吸水させた後、7月初旬から7月下旬に圃場に移植した。2012年度は、移植後1か月おきにBradyrhizobium sp. AT1の菌液を接種区の地上部に散布した。11月下旬に収穫し、新鮮重および窒素吸収量を調査した。
2012年度においては、アヤムラサキ接種区の新鮮重ならびに窒素吸収量に、非接種区に対して有意な促進効果が認められた。一方、ベニアズマ、高系14号の接種区においては新鮮重、窒素吸収量ともに有意な促進効果は認められなかった。2013年度においては、ベニアズマ接種区で新鮮重ならびに塊根の窒素吸収量に、非接種区に対して有意な促進効果が確認された。また、アヤムラサキ接種区の新鮮重および塊根の窒素吸収量においても促進傾向が認められたが、高系14号接種区では新鮮重および窒素吸収量が抑制傾向にあった。圃場栽培したサツマイモへのBradyrhizobium sp. AT1接種効果には、品種間差が認められた。
keywords:サツマイモ,窒素固定,エンドファイト,bradyrhizobium,