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P25-11 : 植物根部エンドファイトVeranoeaopsis simplex とその菌糸圏から分離されたバクテリアの相互作用
Posted On 20 10月 2014
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1茨城大・院農, 2東京農工大・院連合農学, 3茨城大・農, ,
根部エンドファイトDSE(Dark-septate endophytic fungi)は様々な植物種の根部に定着し、その生育促進、病害抑制、あるいは環境ストレス耐性などの効果を付与する。これらの効果は、根部エンドファイトが単独で宿主植物に付与していると考えられてきた。しかし、近年、これらDSEと相互関係にあるバクテリアの存在が確認され、これらの効果への関与の可能性が示唆された。その中でも、屋久島で分離されたVeranoeaopsis simplex Y34にはバクテリアが外生しており、そのバクテリアを除去すると植物の生育促進効果が低下することが報告されている(Rida Oktorida Khastini, 2013)。また、これらのバクテリアを宿主植物への接種接種試験に供したところ、植物の生育促進効果も確認された。以上の結果から、バクテリアが窒素固定やオーキシン合成により、根部エンドファイトの生育促進能に関わっていると推察したが、詳細は明らかになっていない。そこで本研究では、V. simplex Y34に外生するバクテリアの窒素固定遺伝子の検出やオーキシン合成能の確認を行い、同仮説を検証した。まず、V. simplex Y34からDNAを抽出し、nifH遺伝子を標的としたプライマーセットを用いたPCRを行い、nifH遺伝子の同定を行ったが、同遺伝子は同定されなかった。今後は、オーキシン合成能や植物への接種時における植物のオーキシン応答遺伝子の発現などの確認を行い、生育促進へのバクテリアの関与メカニズムに関して考察する。
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