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P25-2 : 複数の培地を用いたテンサイ細根からの共生細菌の分離
Posted On 20 10月 2014
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1農研機構・北海道農業研究センター, 2, 3, ,
【背景・目的】テンサイに生育促進効果を有する細菌の取得を目的に、テンサイ共生細菌の網羅的な分離を行っている。広範囲な種の細菌を分離するため、4種類の培地を使用して分離を行い、各培地で分離される細菌群(ライブラリー)の多様性、系統学的分類構成について比較検討した。【方法】2012年7月17日、北海道農業研究センター芽室研究拠点で栽培したテンサイ(品種「リッカ」)から健全な3株を抜き取り、十分に洗浄後、細根を採取した。細根を乳鉢で軽く磨り潰した後、67 mMリン酸緩衝液(pH 7.0)で適当な濃度に希釈して分離源とした。分離培地には市販のR2A、Tryptic soy broth Agar、Nutrient Agar、King B Agarを使用した。分離源を塗布した培地を24℃・暗黒条件下で1週間静置し、生えてきたコロニーを網羅的に、各培地200菌株程度、合計で745菌株を分離した。【結果・考察】分離菌の16S rRNA遺伝子の部分配列(約550bp)についてクラスタリング解析(相同性99%以上)を行った結果、全体のOTU数は155、ライブラリーのカバー率は49.7%であった。分離培地別のライブラリーにおけるOTU数は60~74で、R2A培地が最も多く、ライブラリーのカバー率は44.6%~53.2%であった。多様度指数(Shannon指数、Simpson 指数)からはR2A培地は広範囲な細菌の分離に適していると推測された。主座標分析の結果、各分離培地のライブラリーはそれぞれ異なる象限にプロットされ、各培地のライブラリーの系統学的分類構成は異なっていると推測された。
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