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P22-24 : ジャガイモ塊茎表皮の細菌群集構造に及ぼす有機資材施用の影響
Posted On 20 10月 2014
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1鹿児島大・院・農, 2鹿児島農総セ, 3長崎県県北振興局, 片倉チッカリン(株), 鹿児島大・農
ジャガイモそうか病は塊茎表皮に病斑を生じる土壌病害である。ジャガイモ塊茎表皮には、そうか病の原因細菌以外にも様々な細菌種が定着しており、これらの塊茎上の細菌間に生じる相互作用は病害発生程度にも影響を及ぼす可能性がある。また、有機資材の土壌施用がそうか病の発生を軽減する効果があることが報告されているが、そのメカニズムは明らかにされていない。そこで本研究では、ジャガイモ塊茎表皮に生息する細菌の群集構造を解析し、有機資材が塊茎表皮の細菌群集構造に及ぼす影響について調査した。 【方法】ジャガイモ(品種:ニシユタカ)をそうか病未発生圃場にて栽培し、塊茎の生長段階による塊茎表皮の細菌群集構造の変化を明らかにした。次に、有機資材(大麦発酵濃縮液)の土壌施用による影響を調べるため、鹿児島県と長崎県のそうか病発生圃場で栽培した塊茎表皮および土壌の細菌群集構造を調査した。細菌群集構造の解析は、各試料の希釈平板法にて増殖したコロニーから無作為に100コロニーを収集し、そのコロニー集団から抽出したDNAのPCR-DGGE解析(16S rRNA遺伝子)により行った。 【結果・考察】そうか病未発生圃場での塊茎生育段階による細菌群集構造の変化を調べた結果、ストロン表皮と塊茎表皮では細菌群集構造が大きく変化した。塊茎肥大後は、細菌群集構造は類似し、特に収穫時近くの塊茎の群集構造は一定していた。また、そうか病発生圃場において有機資材施用が及ぼす影響を塊茎表皮や土壌の群集構造について比較解析した結果、鹿児島県と長崎県それぞれにおいて有機資材施用を行ったジャガイモ塊茎表皮では共通して増加する細菌種が確認された。
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