JS17-2:

ミクロエコミクス (micro-ecomics) 研究を支える数理

中岡 慎治 東京大学大学院医学系研究科 微生物生態群集では、メタゲノムや COG (Cluster of Orthologous Genes) 解析によって、群集における種構成や群集が有する機能に関する情報を得られるようになってきた。一方、窒素循環など微生物群集によって担われている生態系機能(サービス)は、必ずしもオミックスデータのみから理解できるわけではない。生態学的相互作用によって生み出される群集の維持機構やサービスは、これまでに生態学の分野で発展してきた理論や数理モデルが有効であると期待される。 本講演では、古くから個体群生態学の分野で培われてきた数理モデル
Posted On 06 10月 2015
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JS16-4:

大腸菌における休眠細胞と半休眠細胞

田代 陽介1, 岡部 聡2 1静大院・工, 2北大院・工  多くの細菌では、増殖に適した環境条件においても一細胞から生じたクローン集団内に活発に増殖している細胞と非増殖状態の休眠細胞が混在する。ゲノムに変異が入らず一定の確率で出現する休眠細胞の存在は、分裂のみを増殖手段とする細菌において、表現型の多様性を確保し過酷な環境変化で生残するための一戦略として機能している。特に休眠細胞の中で殺菌性抗生物質から免れる細胞はパーシスターと呼ばれ、致死的ストレスに耐え抜く一手段として幅広い細菌でその現象が確認されている。 細菌の集団形態としてバイオフィルムが知られているが、バイ
Posted On 06 10月 2015
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JS14-4:

メタン生成アーキアと細胞外電子伝達

加藤 創一郎1,2,3 1産業技術総合研究所, 2北海道大学, 3東京大学 「細胞外電子伝達」は微生物の代謝機構の一つであり、微生物細胞と細胞外の固体状物質との電子授受反応を可能にする機構である。近年、微生物の細胞外電子伝達能を利用したエネルギー変換、物質生産、環境浄化に関する研究が盛んにおこなわれている。メタン生成アーキアはメタンを生成することで生育に必要なエネルギーを得るが、そのエネルギー(電子)源としては水素、ギ酸、酢酸、およびメタノール等の単純なメチル化合物といった、ごく限られた基質しか利用できないと考えられていた。しかし近年の研究により、ある種のメタン生
Posted On 06 10月 2015
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JS15-4:

ラン藻由来の溶存有機物を起点とする湖沼微生物ループ構造の解明

春日 郁朗, 木戸 佑樹, 栗栖 太, 古米 弘明 東大・院・工  藻類由来の溶存有機物は、溶存有機物を起点とした食物連鎖である「微生物ループ」を支えている。従って、富栄養化湖沼で大発生するラン藻は、湖沼微生物ループにも大きな影響を与えると想定されるが、ラン藻由来の溶存有機物を起点とした微生物ループが、どのような微生物から構成されているのかは不明である。本研究では、ラン藻Microcystis aeruginosaが排出する溶存有機物を同化する湖水中の細菌群を、DNA安定同位体プロービング(DNA Stable Isotope Probing: DNA-SIP)に
Posted On 06 10月 2015
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