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O34-07 : 基質誘導型遺伝子発現解析による海底下微生物の機能遺伝子探索
Posted On 20 10月 2014
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1海洋機構・高知コア研, 2マリン・ワーク・ジャパン, 3鹿児島大・農・附属焼酎・発酵学教育研究センター, 海洋機構 海底資源研究開発センター,
栄養や圧力などの環境条件が、極限的ではあるが多様性に富む海底地下環境、ここには未だ分離、培養に至っていない微生物系統群が多数存在することが知られている。科学海洋掘削によって得られた試料からは、これまでに間隙水を含めた層序ごとの化学物質プロファイル、または微生物群集構造が分かってきている。最近ではNanoSIMSによる解析から、これらの微生物は化石ではなく生きた生命体であることが明らかになってきたが、それらの微生物が現場でどのような代謝を行っているか、またはそのポテンシャルについては未だ明らかになっていない。 そこで演者らは基質誘導を一つのカギとして微生物機能へアプローチした。内山らによって開発されたSubstrate Induced Gene Expression (SIGEX)法はプラスミドに挿入した遺伝子断片中に基質誘導に関わる因子があった場合に下流のgfp遺伝子が発現し、蛍光を発する。ホスト―ベクター系の制約はあるものの、この方法を用いると、データベースに依存せず、基質による誘導に応答してくる転写因子などを含む遺伝子断片を効率的にスクリーニングすることが出来る。海底下に豊富に存在していると考えられる有機ハロゲン分子を誘導基質としてこの手法を適用したところ、南海トラフ掘削試料などから、いくつかの遺伝子断片を得ることが出来た。現在はこの手法を嫌気仕様にアップグレードし、酸素が存在しない海底下生命圏探索ツールの一つとして適用を進めている。
keywords:gene induction,subseafloor biosphere,metagenome,,