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O34-05 : 超好熱古細菌Aeropyrum属におけるウイルス感染履歴配列の解析
Posted On 20 10月 2014
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1京大院・農・応生, 2, 3, ,
【目的】超好熱古細菌Aeropyrum属ではゲノムシンテニーが高度に保存されていた一方で、ウイルス関連因子に多様性が見られたことからウイルス駆動のゲノム多様化が引き起こされていることが示唆された。そこで本研究では地理的に離れた個体群より分離した株のウイルス耐性機構CRISPRとウイルス感染履歴であるスペーサーを解析した。
【方法】鹿児島県山川(YK)、長崎県小浜(OH、TA)と橘湾(TB)より分離された株のうち各地点1株について、Illumina MiSeqを用いてゲノム配列を決定し、Velvetを用いてアッセンブルした。CRISPRの同定・分類にはそれぞれCRISPRFinderとCRISPRmapを用いた。
【結果と考察】リピート配列に基づくCRISPRの分類の結果、OH、TBとTA株で共通したCRISPRが2種類、OHとYK株で共通したCRISPRが1種類見いだされ、株間でCRISPRレパートリーが異なった。小宝島より分離されたA. pernix K1株と水曜海山より分離されたA. camini SY1株を含めた6株より得られた741個のスペーサーのうちTB-TAとOH-SY1株間で共通したスペーサーがそれぞれ4組と1組存在した。K1株とSY1株に加えTB株の2個のスペーサーがK1株の溶原化ウイルスAPSV1ゲノムと相同性を示したことから、地理的に離れたそれぞれの株と近縁なウイルスが相互作用したことが示唆された。また99.7%のスペーサーはデータベース上の配列と相同性を示さなかったことからAeropyrum属古細菌が相互作用するウイルスの多くは未知であることが示唆された。
keywords:hyperthermophilic archaea,virus,CRISPR,,