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O34-04 : 富山県で採取したバイオエアロゾルに含まれる細菌の特徴とストレス耐性
Posted On 20 10月 2014
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1富山大院・理工, 2, 3, ,
【目的】 大気中には,細菌,菌類,原生生物,花粉,動植物の破片などのバイオエアロゾルが存在している。また,大気環境中の微生物は、紫外線、活性酸素種、乾燥などの環境ストレスに晒されている。本研究では,富山県で採取したバイオエアロゾルに含まれる細菌の特徴とストレス耐性を把握することを目指した。【方法】 大気試料は,2009~2013年に,富山大学理学部棟屋上 (地上約12m)を中心に採取した。その後,PCR-DGGE法による細菌群集構造解析とリアルタイムPCR法による細菌密度の測定を行った。また,培養法では,BioStage Bioaerosol Impactor(SKC社)を用いて細菌を検出した。さらに,培養法で単離した細菌の一部について,紫外線や過酸化水素に対する耐性を評価した。【結果】大気中の細菌群集構造の季節変動をPCR-DGGE法により解析したところ,α-,β-,γ-Proteobacteria,Firmicutes,Bacteroidetes,Actinobacteria,Acidobacteriaが検出された。属レベルでは,Pseudomonas属が最も多く,次がBacillus属であった。また,春には,花粉症の原因となるスギやマツなどの植物のクロロプラストも多く検出した。リアルタイムPCR法により全細菌数を測定したところ,104 ~106 cells/m3となり,春季にやや高い値を示した。さらに,大気から培養法で単離した細菌では,色素産生株の方が色素非産生株より紫外線や過酸化水素に対する耐性が高い傾向を示した。
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