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P25-37 : 改良型バイオアッセイ法による海洋性光合成細菌Rhodovulum sulfidophilumのN-acyl-homoserine lactone (AHL) 生産の検証
Posted On 20 10月 2014
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1豊橋技科大・院工・環境生命工, 2豊橋技科大・院工, 3, ,
グラム陰性菌に属する海洋性光合成細菌Rhodovulum sulfidophilumは、菌体外に自身の核酸を放出し、フロックと呼ばれる菌の凝集体構造を形成する。我々は過去の研究において、グラム陰性菌のクォーラムセンシングに関わる一般的なシグナル分子であるN-アシルホモセリンラクトン(AHL)を包接するα-シクロデキストリンが本菌のフロックの維持を阻害することを見出している。このことから、本菌のAHL生産とフロック維持に相関関係があることが示唆されたが、本菌がAHLを生産する直接的な証拠は得られていない。そこで、本研究では、本菌の生産するAHLの検証を行った。 まず本菌の培養上清抽出物を逆相TLCで展開し、展開後のTLCプレートから、C6からC18の既知のAHLのRf値を基に分画して個別に再抽出したものを濾紙に染み込ませ、短鎖AHLを感知し紫色色素(ビオラセイン)を生産するChromobacterium violaceum CV026株、あるいは長鎖AHLを感知しビオラセインを生産するChr. violaceum VIR07の撒かれたプレートに載せて培養し、ビオラセインの生産を検出する改良型バイオアッセイ法を考案した。 改良型バイオアッセイの結果、VIR07株を用いた場合のみ本菌の培地条件(富栄養・貧栄養)および培養条件(嫌気明・好気暗)の違いに関係なく複数のTLC抽出画分からビオラセインが検出された。以上からRdv. sulfidophilumは培地条件や培養条件に関係なくアシル鎖長がC10からC18の長鎖AHLを複数種類生産することが明らかとなった。
keywords:Rhodovulum sulfidophilum,Quorum Sensing,N-Acyl Homoserine Lactone,,