Previous Story
P25-5 : 不耕起雑草草生栽培圃場のダイズおよび近傍雑草の根に感染する共生微生物の群集解析
Posted On 20 10月 2014
Comment: Off
1公益財団法人農業・環境・健康研究所, 2, 3, ,
有機農業生産者の不耕起雑草草生栽培圃場におけるダイズとその近傍雑草に感染する根粒菌やアーバスキュラー菌根菌(AMF)の群集解析を行った。
【材料・方法】①ダイズ(S):エンレイ(En), リュウホウ(Ry), フクユタカ(Fu), 株元中心で30cm角の土塊を切り出し採取、②雑草(W):エノコログサ(W-A), キンエノコロ(W-B), スギナ(W-C), 土塊周辺から採取、③栽培期間:64日間、④調査項目:ダイズ生育量, 根粒数, 単離根粒菌のrep-PCR, 根に感染したAMFのDGGE解析。
【結果・考察】ダイズ生育量に有意差はなかった。個体あたり根粒数は、En;226±28, Ry;180±44, Fu;101±1で、EnおよびRyとFuの間は1%と5%で有意だった。単離根粒菌は54株中2株がBradyrhizobium elkaniiで、他はB.japonicumであった。根粒菌rep-PCRのバンドパターンには品種による特徴は認められず、多様な菌株の感染が示唆された。AMFのDGGEバンドパターンは、ダイズでは品種ごとに異なるサブクラスターに分かれたが、雑草ではW-AとW-Bの大半はEnとRyの、W-CはFuのサブクラスターに含まれた。DGGEバンドの分子系統解析では、ダイズ、雑草ともGlomus属のバンドが多く、Claroideoglomus属、Acaulospora属、Gigaspora属、Sctellospora属も検出された。根に感染するAMFは多様だが、感染パターンは、ダイズには品種間差があること、雑草には近傍のダイズとの類似性に差異があることが示唆された。
keywords:不耕起雑草草生栽培,有機栽培,ダイズ,雑草,アーバスキュラー菌根菌