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P24-7 : インドネシア塩田由来高度好塩性古細菌の網羅的な分離培養
Posted On 20 10月 2014
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1NBRC, 2LIPI, 3, ,
高度好塩性古細菌は1.5 M(9%)以上のNaClをその増殖に要求する好気性古細菌群である。本菌群は系統学的にHalobacteria綱に分類され、これまでに主に塩田や塩湖から分離された40属が報告されている。インドネシアでは、古くから各地の海岸で塩が作られており、その多くは小規模な手作業によるものである。これら塩田では、画一化されていない方法で塩を作製しているため、多様な高度好塩性古細菌が生息している可能性が高いと考えられる。本研究では、インドネシアの塩田試料から網羅的に高度好塩性古細菌を分離することで、その多様性を検証するとともに、新規な高度好塩性古細菌の獲得を目的とて実施した。
ジャワ島東部及びバリ島において、主に塩田から試料を採集し、高度好塩性古細菌の分離源とした。培養は15%または20%のNaClを含む培地を用いて30℃で行い、コロニーピックアップにより高度好塩性古細菌の分離を行った。この結果、約90株の高度好塩性古細菌を獲得した。分離した菌株について16S rRNA遺伝子の部分配列を決定することで簡易同定を行い、これらは17属31種と新規系統16群に分類することができた。本結果により、インドネシアにおける高度好塩性古細菌の多様性の一端を示すことができた。現在、獲得した新規系統群に着目し、諸性状の検討を行っている。
本研究は、(独)科学技術振興機構(JST)と(独)国際協力機構(JICA)が共同で実施している地球規模課題対応国際科学技術協力プログラムの助成を受け、課題名「生命科学研究及びバイオテクノロジー促進のための国際標準の微生物資源センターの構築」で実施した。
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