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P21-24 : BrdU-FACS法を用いた冬期淡水湖におけるN-acetyl-glucosamine添加に増殖応答する細菌群の動態解析
Posted On 20 10月 2014
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1北大・地球環境, 2Leibniz-Institute of Freshwater Ecology and Inland Fisheries (IGB), Germany, 3, ,
【目的】水圏生態系において、活発に増殖している細菌群(増殖細菌群)の動態は、溶存態有機物(DOM)の質および量の変動と密接に関連している。本研究では、ブロモデオキシウリジン(BrdU)免疫化学染色とセルソーター(FACS)を組み合わせた手法(BrdU-FACS法)を開発し、冬期淡水湖における増殖細菌群の特定、および湖沼生態系において重要なDOMの一種であるN-acetyl-glucosamine(NAG)の添加に増殖応答する細菌群の特定を目的とした。【材料と方法】ドイツ北東に位置するシュテヒリン湖において、表層水を採水し、BrdUおよびBrdU+NAGを添加後、現場水温で48時間培養した。培養後、孔径0.1 μmポリカーボネートフィルター上に細菌細胞を捕集し、固定した。抗BrdU抗体を用いた免疫化学染色後、セルソーターにより染色細胞のみを選別し、16S rRNA遺伝子解析を行った。【結果と考察】クローンライブラリー法による解析の結果、冬期シュテヒリン湖における増殖細菌群としてBetaproteobacteriaおよびActinobacteriaが優占し、それぞれライブラリ中の53%および20%を占めていた。また、BrdU+NAG添加区ではGammaproteobacteriaが優占 (31%) し、さらにFirmicutes、Planctomycetes、Spirochaetales、Verrucomicrobiaの出現が見られたことから、これらの細菌系統群の増殖が冬期淡水湖生態系におけるNAG分解過程に関与している可能性が示唆された。
keywords:Freshwater lake,BrdU,NAG,FACS,