P21-12 : Cu-MMOを有する新規海洋性エチレン資化性細菌

塩谷 達也¹,寺原 猛²,今田 千秋²,羽部 浩³,布施 博之⁴
1芝浦工業大学大学院, 2東京海洋大学, 3産業技術総合研究所, 4芝浦工業大学
【背景・目的】初発酸化酵素のCopper-containing membrane monooxygenase (Cu-MMO)は、メタン酸化細菌とアンモニア酸化細菌に特有と考えられてきたが、近年、メタン以外の短鎖のアルカン・アルケンを資化する微生物もCu-MMOを有していることが知られてきている。しかしCu-MMOを有する非メタン炭化水素資化性細菌の分離報告は少なく、なかでもエチレンを資化する海洋性微生物の分離報告は4株のみである。本研究は、海洋よりエチレンを資化する微生物の単離を行い、その諸性質を調査することで海洋中の炭化水素循環とCu-MMOの関連を明らかにすることを目的とする。【実験方法】日本近海より海水および海泥を採取した。試料を100mL容バイアル瓶へ入れ、基質として気相の1%をエチレンで置換し、25℃にて集積培養を行った。ガスクロマトグラフィーを用いて基質の減少を測定した。得られた分離菌株について各種生育試験と、illuminaのMiSeqを用いたゲノムのドラフトシーケンスの決定を行った。【結果】遠州灘沖で採取した海泥よりエチレン資化性細菌の分離に成功し、16S rRNA解析の結果、Microbulbifer 属に近縁なɤ-Proteobacteriaに属することが分かった。Cu-MMOの遺伝子の一部であるpmoAについては、Haliea sp. ETY-MのpmoAとアミノ酸配列で84%の相同性を示した。生育至適温度は25℃で、生育にはNaClを必要とし、至適NaCl濃度は2.6%付近であった。

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