P21-3 : Fe・Mnを除去する生物ろ過槽のバイオフィルターに定着した細菌群集の構造
Posted On 20 10月 2014
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1横浜国立大学大学院 工学府, 2, 3, ,
【目的】生物ろ過法は、地下水中に生育するFe・Mn酸化細菌や硝化細菌などの微生物群集を活性炭などの多孔質の担体に定着させてこれをろ材(biofilter media; BFM)とし、原水をろ過することにより、Fe、Mnやアンモニア態窒素などを除去する。しかし、原水に存在する細菌群のうちどのような細菌がBFMに定着するかはわかっていなかった。そこで本研究では、次世代シーケンス(NGS)による細菌16S rRNA遺伝子アンプリコンの解析により、原水およびBFMの細菌群集構造の比較を行った。
【材料・方法】京都府城陽市生物ろ過槽より採取した地下水原水およびBFMからDNAを抽出し、細菌16S rRNA遺伝子をプライマー27F、519Rを用いて増幅し、得られたPCR産物をRoche GS FLX Titanium XLR70に供して塩基配列を決定した。得られたNGSデータはmothurを用いて解析した。
【結果・考察】NGS解析の結果、原水とBFMの細菌群集の組成は大きく異なっていた。原水の48.6%をBetaproteobacteriaが占めたのに対し、BFMは10.3%であった。一方、亜硝酸酸化細菌Nitrospiraは原水の9.7%からBFMでは49.1%へと上昇した。Proteobacteriaのうち原水で多くBFMで少ないものはFe酸化細菌Gallionella (原水13.3%/BFM 0.4%)など、原水で少なくBFMで多いものはHyphomicrobium (0.8%/5.0%)、Rubrivivax (0.04%/1.7%)などであった。
keywords:biological filtration,iron bacteria,manganese,Hyphomicrobium,next generation sequencing