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P25-41 : 共生不和合性を誘導するダイズ根粒菌のタイプIII型エフェクターの探索
Posted On 20 10月 2014
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1東北大・院生命科学, 2, 3, ,
Rj因子と呼ばれるいくつかのダイズ遺伝型は、特定のダイズ根粒菌の根粒形成を制御することが知られている。Caldwell(1966)によって報告されたRj2遺伝型を保有するダイズ品種は、ダイズ根粒菌Bradyrhizobium diazoefficiensUSDA122株との根粒形成を抑制する。近年、抵抗性タンパク質であるTIR-NBS-LRRがRj2不和合性に関与していることが報告されている(Yang et al. 2010)が、Rj2不和合性を引き起こす根粒菌側の原因遺伝子は報告されていない。本研究室では、USDA122株のタイプIII型分泌系構造体遺伝子rhcJおよび制御遺伝子ttsIを破壊すると、Rj2ダイズ品種Hardeeとの不和合性がキャンセルされることが報告されている(Tsukui et al. 2013)。USDA122株のIII型分泌系から分泌されるエフェクターが、Rj2不和合性を誘導することが示唆された。本研究では17株のB. diazoefficiensをRj2ダイズ品種Hardeeに接種した際の表現型を明らかにし、Miseqを用いた17株のドラフトゲノム比較によりRj2エフェクターの選抜を行った。Kimbrel(2013)らが報告したIII型分泌系エフェクターを参考に、Rj2ダイズ品種へ根粒形成しない菌株グループが共通して保有するアミノ酸置換を調べ、結果として53候補遺伝子から13候補遺伝子に絞り込んだ。さらに、植物側の原因タンパク質が明らかであるので、根粒菌側が分泌しているエフェクターのさらなる特定を進めるために酵母2ハイブリッド法による選抜を試みた。
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