JS12-1:

レトロウイルスの起源と進化

宮沢 孝幸 京都大  レトロウイルスは逆転写酵素をもち、ウイルス複製の過程でRNAのウイルスゲノムがDNAに変換される。レトロウイルスは、生殖細胞にもごくまれに感染すると考えられる。レトロウイルスが感染し、プロウイルスが組み込まれた生殖細胞由来の配偶子が受精し、その受精卵から個体が発生すると、すべての体細胞と生殖細胞のゲノムにそのレトロウイルス由来の配列が含まれることになる。この配列を、内在性レトロウイルス(endogenous retrovirus:ERV)と呼んでいる。ERV配列は、多くの哺乳類のゲノムのおよそ10%をも占めている。ほとんどのERVは、変異や欠
Posted On 06 10月 2015

JS12-2:

ファージと獲得免疫システムCRISPRの割り切れない関係とその生態学的意義

丸山 史人1, 渡辺 孝康2, 野澤 孝志1, 中川 一路1 1京都大学, 2東京大学  細菌においてclustered regularly interspaced short palindromic repeat (CRISPR) は、外来因子に対する獲得免疫機能を持った反復配列である。ところが、相反する機能をもつはずのプロファージ内にCRISPRが入り込んだものが、限られた細菌種において発見されているが、その生物学的意義は不明である。 本研究では、CRISPRを保有するプロファージに系統学的普遍性があるかを、入手可能な細菌・ウイルスゲノム、メタゲノムにて調べた
Posted On 06 10月 2015

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珪藻Chaetoceros tenuissimusとそれに感染するウイルスの鬩ぎ合いと共生関係

木村 圭1, 外丸 裕司2 1佐賀大低平地沿岸セ, 2水研セ瀬戸水研 珪藻は海洋基礎生産量の3〜7割を担うとも言われる重要生産者であり、珪藻の挙動に影響を与える因子の解明は海洋生態系の理解には欠かせない。2000年代初め、珪藻のブルーム崩壊に影響を与える可能性のある、珪藻感染性ウイルスが発見された。その後、沿岸域でブルームを形成する小型浮遊性珪藻C. tenuissimusとウイルスの挙動調査が数年間に亘って実施された。その結果、現場におけるウイルスの増加は宿主個体群のブルームと密接に関係しているものの、ウイルスが必ずしもブルーム崩壊の決定要因にはならない可能性が
Posted On 06 10月 2015

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高効率dsRNAシークエンシングによる細胞内RNAウイルスワールドの発見

浦山 俊一 海洋研究開発機構 海洋生命理工学研究開発センター 生命機能研究グループ  ウイルスはその複製の場である宿主細胞と密接に関わっており、細胞死や溶菌など、様々な宿主細胞の性状・状態変化を介して生態システムとも相互作用している。このようなウイルスの作用を理解するためには、第一に対象試料中のウイルス組成を明らかにする必要があり、その手段として、宿主細胞の培養やウイルスの単離に依存しないウイルスメタゲノム配列解読手法は大きな役割を果たしている。 近年のシークエンス技術の進歩により、海や土壌、湖沼、河川など、環境中にはこれまで想定されていなかったほど多様なウイルス
Posted On 06 10月 2015