PH-121:菌叢情報と疫学データの統合解析に向けた疫学データ解析のデータ整備と統計手法の開発
1東工大・院生命理工・生命情報, 2国立がん研究センター研究所がんゲノミクス研究分野
本研究では、食習慣や生活習慣などの大規模疫学データと腸内細菌メタゲノムデータを統合的に解析することにより、食習慣や生活習慣と腸内細菌の変動とがん発症への一連の関連性を明確にし、がん予防や発がんリスクなどを評価する新たな知見を得ることを目的としている。
食習慣や生活習慣に関する疫学研究により、食事などによるがん発症のリスクが報告されている。また、腸内細菌の研究により、食習慣の違いによる腸内細菌群集構造の変動やがんとの関連が報告されている。我々は腸内環境の視点から大腸がんの発症や進行を解明することを目指し、2013年にJapanese Consortium for Human Microbiome(JCHM、www.jchm.jp)を発足させた。本プロジェクトでは2013年〜2015年に国立がん研究センターで大腸内視鏡検査を受けた被験者1,103人に対し、糞便サンプルを用いた腸内細菌メタゲノム解析を行っている。被験者は大腸内視鏡検査によりその腸内環境を健常、腺腫、大腸がん、家族性大腸腺腫症、リンチ症候群、炎症性腸疾患に分類されている。同時に被験者に実施したアンケート調査により食習慣、生活習慣、病歴、家族構成など475項目からなる疫学データを収集してデータベース化している。
本発表では、食生活や生活習慣と特定腸内細菌の増減などの関連性を報告する。
keywords:疫学データベース,大腸がん,腸内細菌メタゲノム